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「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ! |
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朝7時半、おばちゃんたちのにぎやかな売り声から、呼子の朝市は始まります。「安くしとくけん、どがんね?」。28年間大阪に住んでいる私にとってこの佐賀弁は非常に新鮮で、押し付けがましさもなく、またとても心温まる物がありました。商店街の軒先を借りた店先にはとれたての新鮮な魚介類、干物、農産物から雑貨までありとあらゆる商品がこのわずか数百メートルの朝市通りにはつまっています。
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休日でにぎわう朝市 |
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呼子のおばちゃんが作るイカの一夜干しと魚のみりん干し |
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日本一の呼子のイカ |
石川県の輪島、岐阜県の高山、と肩を並べて佐賀県の呼子と言うと日本3大朝市とも謳われているぐらいです。市場やスーパーで食材を見る事が好きな私にとっては気持ちがウキウキしてきます。また、大阪では値切らないと絶対に安くはならないものですが、ここでは違いました。こっちからわざわざ値切るような事をしなくてもどんどんどんどんとオマケがついて気がつけば、これどないして帰りの新幹線で持って帰ろ・・・と考えてしまう程です。更にうれしい事に1品1品の価格設定が安いんです。これも港町だからこそです。勿論味の方も新鮮で抜群です。
眼前に広がる玄界灘は日本でも有数の漁場と知られ、豊かな海の幸を育んでいます。私の妻はワカメが大嫌いで普段は自ら絶対に食べようとはしませんが、ここのワカメは違いました。まるで人が変わったようにうまいと言って完食してしまいました。これには私も驚きです。ここはまさに地元の人も観光客もみんなが一緒になって買い物を楽しむ事のできるふれあいの場です。昔ながらのよき伝統が今もしっかりと息づいています。是非こんな朝市が近所にあればなぁと、ついつい思ってしまいます。
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その日揚がった サザエ、ウニ、アワビ |
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このワカメがまたうまい!! |
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塩辛の種類も豊富 |
呼子には代名詞とも言える名産品があります。それはイカです。ここで「イカの活け造り」が生まれ、「イカの町」として有名になりました。イカと言う生き物は環境変化に弱く生かしておいてもすぐに弱ってしまいます。ですから都会では「イカの活け造り」はほとんど浸透せず、獲ったイカを獲った海の水でそのまま生かす事のできる港町でしか発展していかなかったのです。そんなイカの町中を歩いていると鮮度を売りにしている食事処が20件以上もあります。しかもどの店もお手頃価格になっているので好みで食べ歩いてみるのもいいかもしれません。
イカの活け造りの特徴は、限りなく身がクリアで独特の食感と甘みがあります。都会で食べるイカとはまた違います。そしてまだ動いていて今にも襲いかかってきそうなげそは、一度下げてもらい塩焼きか天ぷらになってまた戻ってきます。これもまた美味い!!お酒も進みます。季節に応じて「アオリイカ」「ケンサキイカ」「ヤリイカ」を食べる事ができます。私の時は「ヤリイカ」でした。いずれにしてもお店としてはオーダーが通ってからイカをイケスから引き上げ、一杯を余らせる事なく提供しなければならないので 2人以上で入店する事をお奨めします。ちなみに私は1人で入りましたので無理を言って小さめのヤリイカを出して頂きました。
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イカ釣り漁船 |
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イカの活け造り、 限りなくクリア |
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2皿目のサービスで、 げその天ぷらと塩焼き |
私は今回この呼子の旅を通じて、掛け替えのない人情と手作りの味に出会う事ができました。行くところ行くところに個性のあるうま味があるのです。そうそう簡単に行けるような距離ではありませんが早くもリピーターになってしまいました。私が自信をもって推奨できるスポットです。
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海岸沿いにある呼子一と言われる レストラン「セゾンドール」さん |
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(左から)「セゾンドール」の 前山シェフ、筆者、宮崎スーシェフ |
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