フランス国家功労勲章「シュヴァリエ」叙勲式
2018年12月10日(月)在日フランス大使公邸にて、フランス国家功労勲章の叙勲式が執り行われ、辻調グループ代表 辻芳樹校長が「シュヴァリエ」を受章しました。長年、フランスと日本の料理の架け橋となり、両国の食文化の交流に貢献したことを顕彰していただきました。大使公邸には、辻校長ゆかりの方々をはじめ、辻調グループの教職員、卒業生らが列席し、辻調グループフランス校のディレクターであるピエール・ベアル先生もフランスからお祝いに駆けつけてくださいました。
叙勲式での辻校長の受章スピーチをご紹介します。
「この度、フランス国家功労勲章シュヴァリエの叙勲の栄誉に浴し、この上なく光栄に存じます。この栄誉と喜びを、辻調グループの代表として全教職員と共に分かち合いたいと思います。また、58年前に辻調グループを創設した今は亡き父 辻静雄と、この会場にいる母 辻勝子に、この章を捧げたいと思います。教育を通して、本物のフランス料理とは何かを飽くなき探究心で問い続けた両親に感謝します。また58年間、自らも学び続ける謙虚な姿勢で学生たちをひたむきに指導してきた全教職員にも、この場をお借りして心からの感謝とお礼を申し上げます。
世界でこれほどまでに食文化が発展し得たのも、とりわけ我が国において世界に類をみない高度な食文化が定着したのも、ひとえにフランス料理という技術の確固たるバックボーンがあったからです。文化というものは文明の産物であります。そのなかでも、特に食文化は理念との戦いによって醸成され、発展していくべきものでした。ここまでの約200年の間に、フランス料理は文化と手を組んで発展してきました。しかしながら、新たなテクノロジーの誕生もまた、時代の要請です。これから技術革新がさらに加速される中、もっとも未知数なのがガストロノミーとその周辺環境かもしれません。そのような中で、テクノロジーと協働し人間らしさを残しながら、どのように創造性を産み出していくべきなのか。そしてその結果として、食文化にどのように寄与していくべきか。その基礎となる教育研究という立場にいる者として、非常に大きな責任を感じております。この叙勲に恥じぬよう、フランス料理の伝統を守りながらも、さらに革新性を促し、教育の立場から微力ではありますが、その発展に寄与していきたいと思っております。」
辻調グループの教職員とともに