「京都和食文化研究センター」にて「ガストロノミーとこれからの食文化」について講演
2月16日(土)に京都府立大学 京都和食文化研究センター主催リカレント学習講座第5回「京都 和食の文化と科学」
が開催され、辻芳樹校長がテーマ「ガストロノミーとこれからの食文化」について講演しました。
第一部の前半ではフランス料理の近代に至るまでの料理の変遷において、過去50年間の「ガストロノミーの価値観の変化」について言及。「自然」を料理で表現した料理人、「サイエンス」を料理に取り入れ「分子ガストロノミー」を生み出した料理人、自身のメッセージ性を伝える料理人などを紹介しながら、現在のガストロノミーの潮流についてお話しました。
後半には「日本料理が世界に与えた影響」について日本料理の歴史にアプローチしつつ、宗教・四季・様々な価値観を組み込んだ洗練されている料理だと解説。今後は日本の食文化、そして現代の食の持続性や環境問題を表現する料理人の必要性について述べました。
第二部では佐藤洋一郎氏(京都府立大学京都和食文化研究センター 特任教授)と宗田好史氏(京都府立大学副学長/京都和食文化研究センター長)と「食を通じて文化を知る」をテーマに鼎談。
参加者の方々からは「食材、特に日本の米の現状について」「有益な美食についてより詳しく教えて欲しい」
「食を理解する上で、日常でできることは何でしょうか?」など様々な感想や質問がありました。
辻校長は「サスティナビリティとガストロノミーの関連性」、「日本人の精神性をガストロノミーで表現する重要性」にふれながら、文化とは時間軸で試練を乗り越え残ったものであり、今後料理人は食文化を背負う存在、社会的役割を担う存在だと訴え、鼎談は予定時間を超え白熱した内容となりました。