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「くせになる味、ふなずし!先生もっと食べたいです」日本料理だけを学ぶ辻調! 日本料理クリエイティブ経営学科のブログ8

日本料理
日本料理クリエイティブ経営学科

2025.02.17

今日は日本料理クリエイティブ経営学科2年生の授業「日本食文化概論Ⅱ」について投稿します!
この授業を通じてこれまで日本酒、日本茶、漆器、精進料理など
食を取り巻く周辺知識について学んできました! 
今回は発酵食をテーマに「ふなずし」について学びます。


教えてくださるのは滋賀県にある「住茂登(すみもと)」ご主人の藤林 空也先生です。
先生はエコール 辻 大阪 日本料理マスターカレッジを卒業後、
大阪の割烹店で勤務、その後実家の住茂登で勤務現在11年目だそうです。
では先生よろしくお願いします!

藤林先生のお店情報はこちら↓
住茂登のふなずし|住茂登|郷土料理 鴨 琵琶湖の魚


みなさんは「ふなずし」を知っていますか?
「名前は知っているけど食べたことがない」「一度食べたけど好きじゃない」「チーズに似ている」
などの反応がありました。
ではふなずしとは何か簡単に説明しますね!まず滋賀県の名産品、郷土料理としても有名です。
琵琶湖産の鮒(ふな)を炊いたご飯と塩で桶に漬け込み発酵させたものです。


ネットでふなずしと検索すると「臭い」「臭くて酸っぱい味の魚」など
一般的に臭い食べ物の代表格とされています。しかしそれは誤解です。
ふなずしの材料は「ふな・米・塩」と空気中の乳酸菌というシンプルなものですが
漬け方によって味わいは大きく変わります。
様々な漬け方がありますが生臭いと思われる漬け方があるのも事実です。


ただ住茂登では木桶で漬ける伝統的な製法を継承しつつも、
蔵を毎日見に行って目や鼻で状態を確認することで臭みのない唯一無二のふなずしを実現しています!


オッ!
先ほど「一度食べたけど好きじゃない」と言っていた学生の目が輝きだしましたよぴかぴか(新しい)


使用するふなは琵琶湖の固有種「二ゴロブナ」が最もふなずしに適していると言われます。
体長25cmから30cmのものが一番良いとされています!
私もこのサイズにこだわっています。

手(パー)先生質問です!なぜそのサイズがいいのですか? 
小さすぎると見栄えが悪くうま味も少ないですね!
逆に大きすぎると骨が太いため発酵させても骨まで柔らかくなりません! 

手(パー)先生わかりました


作り方は目、ウロコ、内臓(メスの場合卵がありますが必ず残すこと!)を取り除き塩漬けにします。
その後きれいに塩を洗い落として炊いたご飯に埋め込むように漬けこみ、
最低3カ月から1年間おくと乳酸菌主体の発酵で骨まで柔らかくなり美味しく食べられるようになります。


ふなをご飯に漬け込む際、腹の中にもしっかりと詰め込むことがポイントですよ!


今日は住茂登、特製のふなずしを試食してもらいます!
メスなので卵がたっぷり詰まっていますよ!


試食は、ふなずしは勿論のこと他にもあるよ!お楽しみ


オレンジ色の部分がふなの卵、ここが一般的に一番美味といわれています!
オスのふなには入っていないぞ。


こちらの学生は大阪、和歌山出身の学生です。滋賀県は近いけどふなずしを食べるのは初めてです。
「僕はチーズが好きなのでこのにおい大丈夫です」
「初めて食べました!魚の臭みは感じません、酸味がいいですね」


2人は韓国からの留学生です。どうですか?
「そんなに臭く感じません、日本酒と一緒に食べたいです」*彼らは成人です(笑)
「韓国の発酵食の代表はキムチ、唐辛子の辛味ですが、ふなずしは塩辛いですね!
でも乳酸の酸味がバランスいいですね」


こちらは中国からの留学生です!オッなんか2人で盛り上がっていますね。
「中国は発酵食が多いですふなずしに似た魚の乳酸発酵もありますよ」
「お茶漬けで食べてもおいしそうですね」「お酒と食べたいです」*彼らも成人です(笑)



手(パー)先生、尾の部分は食べられますか? 
オッいい質問です。
尾部分も乳酸発酵で柔らかくなっています。

食べたい? ではどうぞ。

「本当やわらかい!脂がのって美味しい」 頭の部分も柔らかくて美味しいぞ!




ふなずしと同じ製法で造ったアユ(写真上)もろこ(写真下)など小型の魚も骨ごと美味しく食べられますよ。



こちらは炊いたご飯の代わりにアユを「米ぬか」につけた「へしこ」と言います。
ぬかの風味がアユと相性バッチリ決定 
これも学生は初めて食べる味ですね。
「ふなずしに比べて酸っぱくないですね!」「ぬかの風味がご飯と合いそう」


本日、授業で教えてもらった8種盛です。
白米で漬けたふなずし、玄米で漬けたふなずし、細かく叩いて炙ったふなずしと
頭部分、ハーブ4種を混ぜた白米に漬けたふなずし、アユの熟れずし、もろこ熟れずし、あゆのへしこ。


授業終了後も学生から個別に質問がありました。
この学生自分でもふなずしを作ってみたいとのこと!


授業を終えた藤林先生からひと言
「楽しかった!学生さん3時間の講義しっかり聞いてくれました」
最後は在学中の担任だった松島先生と石田先生と記念撮影!カメラカシャ!
また来年も授業よろしくお願いしますね!

~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川健 

香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。