フランスで出版されている |
ポール・ボキューズ M.O.F.の料理人、3ツ星レストランの経営者、 そしてフランス料理を次代に伝える指導者
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M.O.F.の料理は、フランスが「これがフランス料理である」と世界に主張するものであり、ボキューズやトロワグロといったM.O.F.の称号を持つ料理人とは、そのフランス料理の規範を作ってみせる力を備えている人たちなのである。 リヨン市の北西30km少しのところ、ボジョレのぶどう畑の真中に辻調グループ校フランス校シャトー・ド・レクレールがある。現代フランス料理界の大御所ポール・ボキューズ氏も気軽にやって来て、授業をしてくれる。その日は彼の片腕ロジェ・ジャルー氏もいっしょだった。料理人にとって最高の名誉ある称号M.O.F.(フランス最優秀料理人賞)をもつ二人のシェフの揃踏み。なんとも贅沢な料理講習である。すっ飛ばしてきたジープから降りたつなり、いつものしぐさで片手をあげ、人なつっこい笑みをみせながら「ボンジュール、元気にやってるか」と張りのある大きな声で呼びかける。 (肥田順 筆 『ボキューズさんちの家庭料理』より) |
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リヨン市の中心を流れる2筋の大河のひとつ、ラ・ソーヌの河岸は青空市場のにぎわいとともに目覚める。美食の都リヨンとその近郊にひしめくレストランやビストロの料理人たちの朝もまた、そうした市場で新鮮な野菜や果物を物色することからはじまる。彼らはまたもうひとつの河、ル・ローヌを越え、街の東部、パール=ディユにあるレ・アール・ド・リヨンに足を運ぶ。この街の食を支える巨大な市場である。 |
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フランス校でジャーナリストなどを招んでパーティをして、ボキューズさんにもきていただいたことがありました。そのときお菓子をフランス校の教授のモーリス・ボゲさんという人がつくったんですが、ボキューズさんは帰る時に、「ムッシュ・ボゲ、MOF、メルスィ!」とかいうんです。M.O.F.っていったらフランスではもうすごい称号でしょ、だからジャーナリストが「えっ」っておどろいた顔してね。ボキューズさんは、あれはミシェル・ゲラールといっしょに働いていた、ムッシュ・ボゲで、すごい人で、ここの先生なんだ、とかさりげなく言うんです。そしたらジャーナリストはわっとカメラをむけて、ボゲさんにボキューズといっしょに並んでくれって。ボゲさんは職人肌の人でマスコミに顔を売りたいとかそういう気持ちはない人なんですが、やはり自分の仕事にはプライドをもっていますから、ボキューズさんの気遣いはうれしかったみたいです。 |
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ディシープル diciple= 弟子、門弟、信奉者、後継者 エコール = 流派、学派 |
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