<東京学芸大学×辻調>「食と環境」オンライン公開セミナー2023 第4回のご案内
本セミナーは、東京学芸大学と辻調理師専門学校の「環境×農業×食に関わる教育についての多様な研究開発」の一環として、2022年度より開催するものです。
>東京学芸大学環境教育研究センター×辻調理師専門学校 「食と環境」オンライン公開セミナーとは(概要・ラインナップ一覧)
◆2023年度 第4回オンライン公開セミナー概要◆
2023年度第4回のテーマは、「生物季節観測と食」です。生物季節観測とは、生物の状態が季節によって変化する現象について行う観測で、生物に及ぼす気象の影響を知り、観測結果から季節の遅れ進み、気候の違い・変化を的確に捉えることを目的としています。農学博士の亀岡孝治先生(三重大学名誉教授、信州大学社会基盤研究所特任教授、一般社団法人ALFAE代表理事、学校法人辻料理学館理事)により、「二十四節気七十二候と食、そして生物季節」をテーマとして、食との関わりについてお話いただきます。続いて、「生物季節学」に繋がる東京学芸大学の2つの活動を紹介します。1つ目は、小柳知代先生(東京学芸大学環境教育研究センター准教授)により、1995年から続けられている国際的な環境観測プログラムであるGLOBEについてご紹介いただきます。2つ目は、東京学芸大学教育学研究科教育支援協働実践開発専攻の山神明理さん(Explayground「お天気ラボ」代表)による事例紹介です。初等教育から高等教育にて取り組みが広がりつつある環境教育。そのバトンを受ける職業教育。東京学芸大学×辻調理師専門学校の連携にて、グリーン社会への変容へと導く可能性を探ります。
【ご視聴のお申し込みはこちら】申し込み受け付けは終了しました
【日 時】2023年11月18日(土) 15:00~16:30
【方 法】オンライン(ZOOMウェビナーでのライブ配信)
【対 象】どなたでもお申込みいただけます。
【参加費】無料
【締 切】2023年11月15日(水) 23:59 ※定員500名に達し次第、締め切ります。
【主 催】東京学芸大学環境教育研究センター/辻調理師専門学校
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セミナーの視聴用URLは、11月16日(木)に「申し込み時にご登録されたメールアドレス」宛にお送りいたします。もしURLが届かない場合は、迷惑メールフォルダおよびプロモーションフォルダをご確認の上、未着の場合は、東京学芸大学環境教育研究センター×辻調理師専門学校公開セミナー事務局(gakugei.tsujicho@gmail.com)までお問い合わせください。
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◆内容・登壇者紹介◆
【第一部:キーノートスピーチ】
テーマ「二十四節気七十二候と食、そして生物季節」
亀岡 孝治 先生(三重大学名誉教授、信州大学社会基盤研究所特任教授、一般社団法人ALFAE代表理事、学校法人辻料理学館理事)
日本の伝統的な暦は、太陽の位置に基づいて1年を24の節気(二十四節気)に分けており、各節気は、日本の季節の移り変わりの過渡期を示す72の小節気(七十二候:5日間の小季節)に対応しています。この太陰太陽暦は、自然界への深い同調を反映しています。
歴史上、日本の農民、採集者、漁師たちは、この表現学的な知恵を頼りに、季節の変化に合わせた作付け、収穫、狩猟、保存の方法を実践してきました。二十四節気と七十二候に基づいた生物学的なイベント(生物季節)や天候パターンを注意深く追跡することで、彼らは持続可能な食糧を生産していたのです。
二十四節気は、今日も和食(日本料理)のメニューを形作っています。太陽暦の一つ「天文の暦:二十四節気」に基づいた季節の食事は、食材を最高の状態で楽しめます。これによって無駄を省き、優れた栄養と味を提供することができます。食生活を二十四節気に合わせることは、持続可能な価値観と伝統的な生態系の知識を反映したものです。
気候変動が長年の生物学的・気象学的リズムを脅かしている今日、二十四節気七十二候は重要な基準線となります。二十四節気七十二候と生物季節的遷移を比較することで、生態系がどのように反応しているかを記録することが可能です。市民が二十四節気と季節の移り変わりをモニターするプロジェクトは、気候科学を発展させながら、和食(日本料理)などに含まれている伝統的な知恵を維持するのに役立つことが期待されます。
【第二部:事例報告】
テーマ「日本のグローブ活動の紹介:植物のフェノロジー観測に着目して」
小柳 知代 先生(東京学芸大学環境教育研究センター准教授)
1995年から続けられている国際的な環境観測プログラムであるGLOBEについてご紹介します。日本での活動の特徴や今後の可能性について概観した上で、観測項目の中でも、特に植物のフェノロジー(生物季節学)に関する観測の具体的な方法やこれまでの児童・生徒による研究成果をご紹介し、気候変動下でのフェノロジー観測の意義や食との関係について他の登壇者の方々や参加者の皆様と一緒に考えていきたいと思います。
テーマ「『お天気ラボ』の活動」
山神 明理さん(東京学芸大学修士課程、Explayground「お天気ラボ」代表)
古代中国でつくられた二十四節気や七十二候は、地球温暖化等の影響により、季節感に更なるズレを感じるようになってきました。そこで、昨年6月と今年7月に学芸大学キャンパス内で見つけた自然の様子から現代版七十二候を作るイベントを実施したので、その結果を報告します。
●登壇者プロフィール(敬称略)
亀岡 孝治
三重大学名誉教授、信州大学社会基盤研究所特任教授、一般社団法人ALFAE代表理事、学校法人辻料理学館理事
1955年、和歌県生まれ。1984年東京大学大学院博士課程修了(農学博士)。カナダ・サスカチュワン大学工学部研究員を経て1985年7月より三重大学教員。スウェーデン・ルンド大学ケミカルセンター客員教授、三重大学理事・副学長などを経て2020年3月に三重大学を定年退職。農産物・食品の乾燥・貯蔵・冷凍に関わる食品化学工学研究をはじめ、X線・UV・VIS・IR・THzまでのマルチバンド分光技術による農作物・農産物・食品の物理構造・化学成分・味覚の情報解析技術、柑橘・ワイン用ブドウ樹体の健康診断技術,農業IoT技術などの農業ICT(情報通信技術)研究などを行う。 農業情報学会 副会長、Asia-Pacific Federation for Information Technology in Agriculture(APFITA) President Elect、スマートオコメチェーン・コンソーシアム 副会長、愛知県農山漁村発イノベーションサポートセンター 有識者、総合地球環境学研究所 共同研究員などを務める。
小柳 知代
東京学芸大学環境教育研究センター准教授
1983年福岡県生まれ。2010年東京大学大学院博士課程修了(農学博士)。2014年4月より東京学芸大学に着任。2017年度より東京学芸大学が事務局を運営しているGLOBE(Global Learning and Observations to Benefit the Environment: 環境のための地球規模の学習及び観測プログラム)の事務局長として、日本でのグローブ活動の支援を行なっている。専門は、景観生態学、保全生態学。『保全生態学の挑戦(第10章)』(東京大学出版会)、『植物群集の構造と多様性の解析』(共立出版)
山神 明理
東京学芸大学 教育学研究科 教育支援協働実践開発専攻
大学在学中に気象予報士の資格を取得。大学卒業後は東京都の小学校教諭を経て民間気象会社に就職。その後NHKの気象情報を担当。現在は、日本テレビ「DayDay.」の気象情報を担当しながら、学芸大学修士課程で防災教育について研究中。また、Explaygroundにおいて「お天気ラボ」を立ち上げ、気象や四季を体感するイベントなどを行っている。
◆本セミナーに関するお問い合わせ◆
東京学芸大学 環境教育研究センター×辻調理師専門学校 公開セミナー事務局
E-mail:gakugei.tsujicho@gmail.com