|
|
|
|
|
|
今までは本校の先生方の思い出話とか料理にまつわる話、歳時記等の話が中心でしたが、今年は日常を振り返り、例えば「チャーハンをパラパラに上手に作りたい」とか「プリプリエビチリを作りたい」とか、より具体的、実践的な内容でお贈りします。つまり、ある料理にスポットを当てそれに関する疑問に答え、どのようにしたらより美味しくなるかを考えます。けっして難しいことはないのですが。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
調理師を目指してがむしゃらに勉強していた学生の頃 (塘20年前) 。お金は無いけれど美味しいものは食べたい!そんな仲間同士集まってよくやっていたのが餃子パーティ(野郎ばかりというところが寂しい)。そんな懐かしさもあいまって、今回は前回に引き続き点心の妖精、藤田先生にすご〜く美味しい餃子を教わる事にしました。最近毒入り冷凍餃子事件の影響で手作り餃子が見直され、餃子の皮がよく売れているそうです。 今回は家で簡単にできる餃子をさらにパワーアップ!していただこうと、餃子に関する質問を集めてみました。餃子好きの方必見!今夜はビールが美味しいぞ!
塘:
餃子に合う食材は?餡を作るときのポイントは?
藤田:
豚挽き肉と白菜、キャベツ、ニラという組み合わせがお勧めですね。お肉と野菜のバランスが大切です。どちらも多すぎてはいけません。白菜、キャベツはグルタミン酸などの旨味成分が多く、豚肉もイノシン酸など旨味成分が多いのでこれらの旨味が相乗効果を生みだし、この組み合わせは理想ともいえます。ですが、この組み合わせにこだわらなくてもよいでしょう。山海の食材、季節の野菜、きのこなど多種多様の食材を組み合わせて見てもおもしろいと思います。例えば春には菜の花とエビの餃子、夏はオクラとウニの餃子、秋はマツタケと地鶏の餃子、冬は白菜と牡蠣をあわせた餃子etc・・・ありすぎてお伝えしきれません(>_<)。
餃子を口にほうばった時、口一杯に汁が広がり、はふはふしながら食べる。そんなイメージになるよう素材を組み合わせて下さい。
|
肉系の材料は最初によく練る |
餃子の餡に限らず点心の餡を作るときは、先ず肉系の材料をよく練り粘りを出しましょう。しっかり粘りを出さないと調味料やスープを吸収してくれません。粘りが出たら調味料を加えるのですが、ここで注意!調味料と野菜は一緒に加えない事。野菜から水分が出て餡がゆるくなり、包む作業が難しくなります。肉に調味料を全部吸わせたら、その次に野菜をざっくりと混ぜます。それとゴマ油やねぎ油は最後に加えてやさしく混ぜて下さい。そのほうが絶対香りがたちますから。
塘:
皮ってどんなものがあるの?
藤田:
市販の皮と手作りの皮があります。餃子の場合、皮の状態や包み方や大きさ、形が食感や味に大きく影響します。それだけに皮選びはとても重要なのです。
- <市販の皮>
水餃子や蒸し餃子用の皮も売られていますが、一般的なのは焼き餃子用。これら市販されている皮を見ると、最近は大判もあり、四角形もありとバリエーションに富んでいます。
- ☆ 白玉粉や餅粉入りの皮・・・焼き上がりは、小麦粉だけの皮に比べると表面がつるっとしています。焼けた表面はカリッとした歯触りが味わえます。
- ☆ 大判の皮・・・沢山の餡を入れる事ができるので、ボリュームの多い、よりジューシーな餃子が楽しめます。中まで火を通すために、焼く時に加える熱湯はやや多め、蒸し焼き時間は少し長めにします。
- ☆ 薄い皮・・・通常の皮よりやや薄いので、彩りの良い餡を包んで焼くと、火が通ると皮を通して餡が見え、とても綺麗です。
- <手作りの生地>
- ☆ 小麦粉を水で練る生地・・・滑らかできめが細かく、コシが強いので水餃子に適します。
- ☆ 小麦粉を熱湯で練る生地・・・焼くと餅のように外側はカリッと内側はもちっとした生地になります。蒸し餃子にも適しています。
- ☆ 小麦粉に油脂を加えて練る生地・・・固形又は液体の油脂を小麦粉に加えて練るとパイのようなサクサクの食感の皮に仕上げる事が出来るため、揚げ餃子にします。
餃子の皮と一言で言っても様々な個性を持った皮があるんです。皮を変えるだけでも餃子のバリエーションが増えて面白いですよね。しかし!今回は手軽に餃子を手作りしていただきたいので、市販の皮を使用します。手作りの皮は、またいずれ・・・。
塘:
餃子ってどんな包み方があるの?
藤田:
(=O-O)フム。こちらの質問も餡同様たくさんの包み方があるので、その中から簡単にご紹介しましょう。繊細な包み方は、やわらかい手作りの生地でないと難しいですが。
鶏冠形・・・鶏の「とさか」に似せた形です。形が崩れないように主に蒸し餃子に見られます。
帽子形・・・帽子に似せたユニークな形。半月に折りたたんだ生地の両端を重ね合わせるとても簡単な形です。ワンタンもこんな感じで包んだりしますね。
|
|
|
鶏冠形 |
|
帽子形 |
金魚形・・・金の魚という事で縁起を担いで形を模しているというだけでなく、形のリアルさや可愛らしさもあり、おめでたい席に蒸し餃子としてよく見られます。
焼き餃子形・・・すでに焼き餃子の定番となっているこの形ですが、実はたくさんあるひだには、餃子を焼いた時に膨張する餡と一緒に生地が伸びる余裕を持たせるという役目もあるのだそうです。
|
|
|
金魚形 |
|
焼き餃子 |
まゆ毛形・・・まゆ毛に似た形で、細かい縄目で口を閉じているのが特徴。蒸し餃子、揚げ餃子に使われます。長い眉毛は長寿の象徴、そういえば仙人も眉毛が非常に長いですね。
水餃子形・・・本場、中国では水餃子が一般的。皮を折りたたんで周囲を押さえただけのすごくシンプルな包み方で、指紋の跡がつきます。もともと餃子の形は馬蹄銀という昔の中国のお金を模していたそうです。お金が入ってくるとか、また餃子という文字の中には子孫繁栄へとつながる意味もあり、双方の意味も踏まえて、中国北方では春節(旧正月)に欠かせなく、家族みんなが集まる時に良く作られるようです。
|
|
|
眉毛形 |
|
水餃子(お金形) |
包み方によりさまざまな形になりますが、味に関して差が出るわけでもありません。だから、包み方は自己流でもいいのです。一番大切なのは口が開かないようぴっちり口を閉じる事。口が開くと肉汁がもれて焦げ付いたり、鍋に張り付いて取れなくなったり、何よりも餃子のジューシーさを味わえません。
塘:
今回の餃子の焼き方のポイントは?
藤田:
ズバリ!餃子の餡に火を通すために、鍋に熱湯を入れて蒸し焼きにします。生地が水蒸気で加熱されてもちっと、中の餡はジューシーにしっとりと出来上がります。それだけでなく、皮の一部が糊状になり、蒸し焼きにしてから油を引いて焼くと、底の面がカリッとした食感になります。冷凍しておいた餃子を焼く場合は凍ったまま蒸し焼きにして下さい。蒸し焼きにする時間をやや長めにするのがポイント!生焼けの失敗もありません。
塘:
なるほど餃子にもいろいろあるんですね。後輩ながらよく勉強してますな〜。
藤田:
餃子は大好きなので、作っていると夢中になりますからね。これも先生のご指導があってこそデス!!今日も暑かったですね〜。仕事帰りに一杯。いや、餃子の研究に連れてって下さ〜い!(笑)
塘:
その手には乗らんぞ!藤田先生。
|
|
|
|
|
|
|
|
|