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中国料理TOPへ好吃(ハオチー)!中国料理! コラム一覧へ
連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
鶏の中国風マリネ
山東焼鶏


鶏の中国風マリネ

 鶏の唐揚げ(炸子鶏)、甘酸っぱいソースをかける油淋鶏、楊貴妃にちなんでつけられた鶏のワイン煮込み(貴妃鶏)、水飴を塗ってカリッと揚げる脆皮鶏、蒸気をためてスープにする雲南の汽鍋鶏など中国にはおいしい鶏料理が沢山あります。地鶏が主で値段が比較的高いので、日本に来られた中国人は鶏肉が安くてビックリ、食べて味がないので再びビックリという話がよく聞かれます。驚異的なスピードで発展している中国の実情を考えるとブロイラーが幅を利かすのも時間の問題かも知れませんが。

 新潟の農家で生まれ育った私にとって鶏料理といえば、野菜と一緒に炊いた筑前煮みたいなモノが辻調に来るまでの定番メニューでした。祖父母、両親が農作業で忙しかったので、気がつくと私が炊事当番。よく作っていました。

 鶏を家の豚小屋で飼っていたことを思い出します。もともと私の祖父が養豚をしていて豚を10頭飼っていました。豚の数だけ小屋があり、平屋のマンションのようで、結構広くて全部合わせると10メートル四方。その上が今でいうところのロフトのようになっていて、藁などを保管していました。そこに10羽の鶏(チャボ)を放し飼いにしていたので、鶏は好き勝手に走り回り、卵を産みます。その卵を集めては卵焼きや目玉焼きを作って朝ご飯です。

 何年もたち、卵を産まなくなった鶏は、その役目を終えたということで、食卓に上ります。首を切り落とし、血を出し、羽毛を抜き、残っている毛を焼き、内臓を取り除いて骨ごとぶつ切りにし、これらを塩ゆでして鍋ごと食卓に出します。よく動き回っているので肉は固いのですが、歯応えがあり、コクがあってなかなか美味しいのです。祖母と母は胸にひっかかるものがあるのか、余り箸が進まないようでした。私はもちろん美味しくいただき、このようにして食べた鶏の味は今でも記憶の隅に残っています。年老いた雌鶏は「女丸(メンマル)」と言って学校ではスープをとるのにしか使いません。鶏を食べるならやはり肉の味のしっかりした地鶏ですね。 ブロイラーは肉質が柔らかくどんな料理にでも合いますが、確かに味は薄いかな!!!

 稲作作業のない冬から春にかけては、白葱、大根、白菜、キャベツ、ゴボウ、ニンジンなどを育てていて必要な時に雪の下から収穫します。これらの作物は主に家族のため
です。
 11月から3月の商品作物のひとつは椎茸で、菌がついたおがくずを固めて15cm角の
ポットに入ったものを仕入れます。菌床椎茸といい、これらを3千個並べたハウスは、大型の暖房器具で常に20℃前後の温かさに保ち、雪の降り積もっている外とは別世界を作りだしています。朝晩水をやり、3週間たつと収穫できます。その日の内に農協や大型スーパーに卸すので、まだ日が昇らない3、4時に起きて昼までが勝負です。時期を逃すと椎茸はすっかり傘を開いてしまい、商品価値がなくなります。

 採っても採っても菌が繁殖してキノコが生えてきますが、段々勢いがなくなり、キノコの季節が終わり、北国にも春がやってきて、再び農作業の始まりです。その頃作っていたお米はコシヒカリ、トドロキ早生、越路早生などでしたが、現在では根強い人気のコシヒカリはもとより、こしいぶき、秋田小町なんてお米も育てています。新潟は日本の米所、北海道に次ぐ水田面積を誇ります。家の前に立つと180度パノラマが広がります。 一面が緑色のじゅうたんで被われたような夏、実った稲が黄金色に輝く秋。そして、冬が訪れるとあたりは銀世界です。自然に育まれたと思っています。

 今回ご紹介する「山東焼鶏」はローストチキンではありません。蒸した丸鶏に中国醤油を塗り、高温の油で表面に皺を寄せるように揚げ、花椒(中国産の山椒)、八角などの香辛料の入った甘辛い醤油タレに漬け、手で裂き皿に盛って提供します。学校の授業で見て、揚げてから醤油のタレに漬けるのが珍しかったのと、醤油を塗った鶏を揚げるので油が飛び跳ね、豪快な気がしたのです。中国料理の美味しさはやっぱりこれですよ。
 実は、この料理は北京料理店で研修した先生のうろ覚えで、生粋の「山東焼鶏」ではないかも知れません。作りやすくアレンジし、野菜も一緒に漬けてヘルシーに仕上げました。大葉、茗荷、バジル、ミントなど香りの強いものがよく合いますよ。



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コラム担当

レシピ 鶏の中国風マリネ

辻調の楊貴妃(らしい・・・)
人物 山田真澄
中文之星
人物 福冨 奈津子
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