調理師一年目の思い出
職員1年目で初めて実習の仕込みをした時のことです。先輩に「この作り方分かる?」と聞かれ「はい」と答えましたが、こんなことも知らないのかと思われるのが恥ずかしくて、本当は知らないことを知っていると言いました。教科書を見ながら必死で作っていると、先輩にやり方が違うと言われました。私はその場から逃げ出したくなりました。この時仕込む分量は、教科書の分量よりずっと多かったので作り方が違ったのです。「料理は分量によって作り方が異なる」ということを改めて知り、自分に正直にならなければ、余計に恥をかいたり、人に迷惑をかけたりするのだと強く感じました。分からないから教えてくださいと言うと、人は優しく教えてくれるものです。
日本料理 T.M. |