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はじめまして。ぼく鯛の鯛です。鯛の胸びれの付け根あたりにある骨です。よろしく〜。突然ですが、みなさんは自分の生まれ育った国についてどのくらい知っていますか?小学生でも英語を勉強する時代、外国人と接する機会はどんどん増えます。おいしい食べ物は万国共通!簡単な料理を紹介するだけで、言葉の壁を越え、相手との距離がぐんと縮まるきっかけになるかも!ここでは、日本料理のあんなこと、こんなこと、辻調の先生たちにオモシロイ情報を語ってもらいましょう。 |
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烏賊(いか)の思い出といえば……7〜8年前のことだけど……
「どっちの料理ショー」で烏賊を使った料理をしました。「烏賊めし」です。みなさんもよくご存知でしょうが、この番組は最高の食材を使い、最高の技術で作り上げていました。このときも例にもれず、最高の烏賊を調達してくれていました。
担当の女性のSディレクターが「先生!!今日の特選素材で使う烏賊はいかがですか(おやじギャグ?)!!活きてるんですよ!」と自信たっぷりに話しかけてきました。忘れもしません。とてつもなく大きな水槽に50尾くらいは元気よく泳いでいました。
しかしこの後、大変な事態に陥ります。烏賊というのはとてもデリケートです。周囲の環境が変わるとすぐに弱ってしまうのです。その上、ストレスからか勢いよく泳ぐあまり、水槽の壁に激突してますます弱ってしまいます。ついには、1尾が死に、2尾目が死に……と次から次ぎへと死んでいきました。ここでまたディレクターのSさんが「せんせーい!どうしましょう!烏賊が死んでしまいます。何かよい方法はないですか?」
正直、この質問には答えられませんでした。だってそうでしょ!ついさっきまで広大な海で泳いでいたのに、水槽に移され、トラックで揺られ、弱らないのが不思議です。TV上は元気に泳ぎまわっている姿を放送したいと考えるのはもっともですが、自然の摂理には逆らえません。
結局、本番が始まるときには2/3が死んでしまいましたが、それでも何とか収録を終えました。死んでしまった烏賊は、捨てるなんてできないので、収録後さばいて造りにしたら、スタッフがおいしそうに食べていました。
このとき使った烏賊は「するめいか」といい、家庭でもよく食卓にのぼるものです。「烏賊リング」をはじめ、「烏賊と里芋の煮物」や屋台で定番の「烏賊焼き」など、煮ても焼いてもおいしい食材です。下処理も魚よりも簡単で、引っこ抜いたり、皮をはいだりするだけで、包丁をあまり使わなくても何とかさばけます。
春から夏にかけておいしくなる烏賊ですから料理してみるとオモシロイです。ちなみに、私は干したするめいかを割いて、てんぷら衣をつけて揚げ、マヨネーズをつけながら食べるのが大好きです。オヤジや!といわれそうな食べ方ですが、ウマすぎてやめられません(笑)
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