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「『古典』と『和菓子』だって?もう、いや!」と逃げ出さないでください。想像とおいしさとちょっぴり恋の世界を味わって頂きたいだけですから。百人一首の和歌を読んで私たちなりに解釈し、イメージを膨らませて作ったのがここにご紹介するお菓子です。和菓子の世界には、和歌や物語を元にして想像力を働かせ、作品に表現するという楽しさや遊びがあるのです。このページを通して、日本の良さを見直して頂けたらうれしく思います。 |
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春の「吉野」と言えば、桜の名所として知られていますが、この歌に出てくるのは雪景色の吉野です。雪がしんしんと降る冬山の吉野を「きんとん」というやわらかい味わいのお菓子であらわそうと思いつきました。
薯蕷練切の割合を多めにしたり、芋の風合いをいかして目の細かい裏ごし器に通したりして、雪が真っ白に美しく降り積もった風景を表現しました。また、「朝ぼらけ」ということばから、薯蕷練切と小豆餡を使って、夜明けのイメージを出しました。
こんもりと小高く形作り、お菓子全体を冬の雪山のイメージに仕上げてみました。
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31 坂上是則
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平安時代のはじめ、蝦夷(えぞ)征伐をしたり京都の清水寺を立てたりした、征夷大将軍坂上田村麻呂の子孫といわれます。先祖は唐人(もろこしびと=中国人)。この人自身は下級官吏でしたが、蹴鞠(けまり)の名手でありました。ある時、彼を含めた5人が200回を超えて蹴り続け、褒美をもらったという記録もあります。今だったらサッカーの名選手になったかもしれませんね。「三十六歌仙」という藤原公任(きんとう)が選んだ歌詠み上手のベスト36人に名を連ねています。
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歌の方ですが、読んでそのまま。難しい言葉はありません。 「朝まだ早い時分、外がほの明るいので、有り明けの月(明け方沈まないで残っている月)の光かと思って寝ぼけまなこで起き出てみると、辺り一面は雪景色だった。ここは都から遠く離れた吉野の里」吉野の山奥での寂しいひとり言か、はたまた、そばに寝ている誰か(女性!?)に語りかけているのか。
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桜の名所として有名な奈良県の吉野ですが、冬景色もとても素敵だと聞きました。二番目の歌の作者持統天皇がこよなく愛した場所です。筆者も大好きです。いかがですか。今度の休日辺り、ふらっと吉野を訪れてみては。
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