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「『古典』と『和菓子』だって?もう、いや!」と逃げ出さないでください。想像とおいしさとちょっぴり恋の世界を味わって頂きたいだけですから。百人一首の和歌を読んで私たちなりに解釈し、イメージを膨らませて作ったのがここにご紹介するお菓子です。和菓子の世界には、和歌や物語を元にして想像力を働かせ、作品に表現するという楽しさや遊びがあるのです。このページを通して、日本の良さを見直して頂けたらうれしく思います。 |
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宵闇に浮かぶ桜花は、春の風物詩です。最近では、照明コーディネーターに依頼し、趣向をかえて幻想的な世界を演出するお寺や神社もあり、昼間とは一味違う桜を体感できます。以前テレビ番組で、「桜守」の方が桜の一番きれいな見方について話していました。それは「幹を背にして見上げる。」のだそうです。桜はつぼみの時は上を向いて、花が咲くと下に向くようで、これは蜂などの昆虫が蜜をすいやすくするためだそうです。今にも振りそそぎそうな桜花は、とても美しく優雅です。
ココア風味の浮島生地と小倉羊羹を交互に組み合わせ、春の夜空を表現しました。
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67 周防内侍(すおうのないし)
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平安時代の歌人です。11世紀の初め頃を生きた人です。この時代の女性としては珍しく本名が分かっていて平仲子といいます。25歳頃に後冷泉天皇に仕えはじめ、その後、ほぼ40年間も宮中におり、4代の天皇に仕えたようです。即興で歌を作る才能があり、明るく気さくな性格で、周囲の信頼と尊敬を集めたと伝えられます。
歌の意味は
短い春の夜の夢のような、はかない戯れの腕枕をしていただいたばかりに、つまらない浮き名が立つでしょうが、それが残念でなりません。
数人で夜明かしをし、作者が物に寄り臥しながら「枕が欲しい」というのを聞いた男性が、「これを枕に」といって御簾の下から腕を差し入れました。この場面で、即興で詠んだ歌だといわれます。
この時代、実際の恋に発展するかどうかは別として、挨拶代わりに恋の歌をやり取りするのが普通でしたし、ある程度のレベルで作れなければ、教養がなく、心の貧しい人として評判にもなりました。でも一方で、たとえ挨拶代わりであっても、恋愛の歌のやり取りがあったなら、深い仲ではないかとウワサが立つことも日常茶飯事。今とは社会のしくみも恋愛事情も異なりますが、今の方がはるかに生きやすい世の中かもしれません。
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