■流通段階での仕分け:格付(グレイデシング)など
生産国では、輸出にあたって生豆の格付を行います。
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ブラジルNo.2(左)とブラジルNo.4-5 |
格付の基準は国によってまちまちですが、ほぼ生産国の栽培・流通の事情を反映させた基準を採用しているといって良いでしょう。格付の基準としては、標高のほか次のようなものがあります。
豆のサイズ:
豆の大小による等級分け。大きいものが高評価。たとえばブラジルは最も大型の豆がNo.2表示で、数字が大きくなるほど豆のサイズは小さくなる。コロンビアはサイズによる格付のみ(スプレモ>エクセルソ)。
欠点数:
欠点豆(発酵豆や黒豆等)、異物を種類により点数化し、生豆サンプル300gに混入する欠点豆を点数に換算しタイプ分け。欠点数が少ない方が良品。特にブラジル(No.2〜8で表示)などの自然乾燥のコーヒーの生産国では重要な指標。
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半発酵豆(左)と正常豆 |
発酵豆(左)と正常豆 |
黒豆(左)と正常豆 |
カップ:
実際に試飲(カップ・テイスト)して風味を評価する。ブラジルをはじめ、ケニア、タンザニアなどのアフリカ諸国が採用している。風味に欠陥がないかというマイナス評価が基本。発酵臭、ヨード臭などの異臭、酸味の質を評価。
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ピーベリー |
このほかピーベリー(丸豆:枝先にできる。酸味の量が多く、高評価をうける)、マラゴジッペ(ブラジル起源の大型の品種)などを仕分けする場合もあります。
また、収穫から出荷までの保管期間により、ニュー・クロップ(当年物)、パースト・クロップ(1年物)、オールド・クロップ(2年物)に分けられます。かつては生豆の熟成といって、オールド・クロップが評価されたこともありますが、現在では生豆の鮮度に価値を置くのが一般的な傾向です。
さらに、輸出に際して生産地域名を表示することも多く、特に地域によって性格の異なるコーヒーを生産する国については、それぞれのコーヒーの特徴(場合によっては優劣)を把握する必要があります。
【例】
コロンビア(MAMS=メデリン、アルメニア、マニサレスなど)、インドネシア(マンデリン、カロシなど)、エチオピア(ハラー、シダモ、ジマーなど)、イエメン(マタリ、サナニなど)、グァテマラ(アンティグア、コバンなど)、ジャマイカ(ブルーマウンテン、ハイマウンテン、プライム・ウォッシュト=地区が格付けの役割も) |