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モカ・マタリNo.9 |
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アール・マッカ |
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サナア |
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ハラー |
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カッファ |
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シダモ |
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イエルガチェフG1 |
■それぞれの生豆の紹介
<<イエメン>>
モカ・マタリbX:
イエメンの首都サナアの南西、バニー・マタル地方の山岳地帯で産するコーヒー。古くからイエメン最高の産地とされる。bXが最高グレード。形・サイズも不揃いで、欠点豆も多い。発酵臭がでることもあるが、徹底してハンドピックすれば、取り除けることも多い。ただし、あまりハンドピックし過ぎるとモカ香も一緒になくなってしまう。
アール・マッカ:
マタリの最高級品の一つとして流通している。イエメンの特徴的な短形の豆で、粒もかなり揃っていて、欠点豆も少ない。酸味も綺麗で味の濁りもなく、モカとしては扱い易い優れたコーヒー。ボディは強いが、なぜかモカ香は弱い。あまり徹底したハンドピックはしない方が良いかも。
サナア:
少し枯れた(白みがかった)感じだが、外見はマタリとほぼ同じ。より不揃いで欠点豆が少し多い感じ。一般的には香り、ボディともマタリよりも劣るとされる。味は軽めでハンドピックして雑味を消せば、ブレンド用としては扱いやすいと思う。
<<エチオピア>>
ハラー:
東部の高原地帯で産するコーヒー。かつてはエチオピア最良のコーヒー生産地とされた。ロング・ベリーと呼ばれる長形の豆が特徴で、このハラーにはかなり含まれている。普通、味はマタリに比べ多少軽めだが、ほとんど区別がつきにくい。このハラーはかなりハンドピックの必要な豆だった。
カッファ:
「カフェ」の語源との説もある南西部のコーヒー生産地域。ジェマドロという農園のコーヒー。粒は比較的揃っていて、小粒でシダモに似た長方形の美味しそうな豆が多い。外見は今回のナチュラル・コーヒーとしては最良。ただし焙煎すると、想いのほか死豆が多く、ひどい発酵臭を呈した。
シダモ(ナチュラル):
日本の市場では、シダモ地域のコーヒーはウォッシュト・タイプが多いが、これは伝統的なナチュラル・コーヒー。ウォッシュトに比べれば、かなり欠点豆が多く、精製度は低い。もちろん豆の形状はウォッシュトに似ている。
イエルガチェフG1:
シダモ地域でも、特に優良なコーヒー生産地区。ウォッシュト・タイプのみを生産。通常、エチオピアのコーヒーはG2が最高のランクだが、最近、イエルガチェフに限りG1が設定された。小粒だが形も揃い、透明感のある美しい緑色のコーヒー。欠点豆はほとんど見当たらない。モカ・フレーバーが際立ち、美しい酸味と適度なボディをもつ。世界的に見ても最良のコーヒーの一つと思う。
このように、おおかたのイエメン、エチオピアのコーヒーは、大きさ、乾燥度、形状と
もに不揃いで欠点豆も多いため、ハンドピック→焙煎の過程でも非常に手間がかかります。
次回は、イエメン、エチオピアの具体的なハンドピックと焙煎の方法を提案します。
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