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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
パスタ作りで花嫁修業!!
イタリアでのお嫁さんの絶対条件はラグー上手、そしてパスタが作れるということ!! う〜ん、この2つの条件を満たさないと私は…。ある日、こんな事を考えながらパスタ生地を練る私がいました 。

皆さんご存知のように、南北にブーツのような形にのびた細長い国がイタリアですよね。料理の中でも代表的なのがパスタ料理で、これはイタリアの町の数ほど多種多様です。そして主役のパスタだって長いもの、短いもの、詰め物をしたもの、手打ちパスタ、乾燥パスタ等々、それぞれの土地柄が出ています。これらには特徴や意味がある? 見た目が呼び名になってる? もしかしてもっとスゴイ秘密が隠されている…なんていろいろ考えながら再びパスタ生地を練る私。

普通、スパゲッティやマカロニなんかの乾燥パスタは市販されているものを買うことが多いと思いますが、実は家庭でも作れるんですよ。ここでひとつマカロニを手作りしてみましょう。“マッケローニ・アル・フェッロ”、フェッロとは鉄のことで、鉄の棒で作るマカロニという意味なんです。初めてその作り方を見た時は感動ものでした。練っておいたパスタ生地をのばして小さくカットして、真ん中に棒をおいて手で転がしながらクルクルとのばしていきます。ここで棒を引き抜くと穴あきパスタが出来上がるんです。これでマカロニの完成。作り方は単純だけれど、やっぱり感動です。
生地を小さくカットして 棒を転がして巻きつけます 棒を抜いたらできあがり

それにしても昔の人は手間をかけてパスタを作っていたんだなぁと、材料を入れたらスイッチオン!再び感動しながらさらにパスタ生地を練る私。イタリアではどの家庭のキッチンにも麺台と麺棒があり、粉まみれの状態でよくパスタを作ります。ただ、最近では手打ちパスタを作る女性も減っているみたいで少し残念。そんな忙しい人にはお助けパスタマシーンの登場です(なんだか通販ぽい紹介になってしまいましたが…)。材料を入れてスイッチを入れるだけで本当に簡単。パスタが出てくる部分の部品を替えるだけでいろんな形のパスタが作れます。マシンから出てくるパスタを見て「おぉーっ!!」とまたまた感動する私。
マカロニも スパゲッティも タリアテッレも作れます!

さて次は…パスタマシーンほど便利ではないですが、ちょっとした道具を使ってパスタを作ってみましょう。“ガルガネッリ”です。私も最初は初めて聞く名前、初めて見る形の筋入りのパスタにどうやって作るのだろう?と、興味を持ちました。普通、イタリアでは、ショートパスタの多くは乾燥パスタですが、エミリア=ロマーニャ州ではほとんどが手打ちパスタです。ガルガネッリもパスタの生地を薄く平らにのばして正方形にカットし、鉛筆ぐらいの太さの棒に巻き付けて作ります。表面の筋はペッティネという道具を使う事によって出来るのです。ハガキ大くらいの木の板に何本もの溝がついていて、まるで小さな洗濯板のようです。その上で生地を巻き付けながら棒を転がすと筋の入ったパスタが出来上がります。この筋にソースが絡まり、美味しく食べることが出来るのです。ちなみにペッティネとは髪をとく櫛を意味しています。このイタリア人の発想力には脱帽し、またまた感動する私。

私も家ではキッチンの横などでパスタ生地を練りますが、仕上げる時には手で形を作ったりしています。最近ではチーズの卸し金で表面に模様をつけたりするのがお気に入り。パスタも手作りしてみると意外と簡単に出来るので是非作ってみて下さい。私も上手く作れるまでには何度も挑戦してみました。そのおかげでパスタ作りの楽しみを味わうことが出来ましたよ。こうして地方の手作りパスタは母から娘へと受け継がれていくのでしょうね。なんたってこの地方では、ペッティネはその昔、嫁入り道具のひとつだったようですから…。娘にパスタ上手になってもらいたい、という母親の愛情を感じますよね。早速、私も用意しなければ…。それ以外にチーズ卸しも持参しよう!

今回のコラムで少しでもこのイタリア的リラックス感が伝えることが出来て、皆さんに楽しくパスタを作っていただけたら…またまた、感動です!!




このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ ガルガネッリのソーセージ・ソース和え

=Segretariaセグレターリア=
人物 太田欣子
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