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「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
春たけなわの5月。豆のことを少しお話します。
豆といっても色々と種類があり、日本でも数多くの豆が知られています。それぞれの地域、その土地にあった豆があり、日本にかぎらず世界中で豆は栽培されています。生の豆だけでなく、乾燥させると長期間貯蔵できるので、季節に関係なく一年中食べられる食材です。さらに、各種の栄養分が豊富ではるか昔から食べられてきました。
イタリアで見かけた何種類もの乾燥豆
ヨーロッパにも数多くの種類の豆があり、右の写真はイタリアで見かけたうずら豆、白いんげん豆、そら豆などです。1月だったので生の豆は出回ってなかったのですが、日本と一緒で昔から豆が食べられていました。
このコラムのレシピで料理に使う豆は、色々と種類のある中でえんどう豆を選んでいます。えんどう豆は、若いさやごと食べる「さやえんどう」と、さやをむいて柔らかい未熟な豆を食べる「実えんどう」と、完熟した豆を乾燥してから食べる「実取りえんどう」の3種類に分けらます。実取りえんどう(乾燥豆)の豆の色は緑、赤、褐色、黄白などさまざまですが、日本では緑と赤がよく知られていて、それぞれ「青えんどう」、「赤えんどう」と呼ばれています。
実えんどうについては関西では「きしゅううすい」という品種が地域ブランドに認定されています。これは和歌山県の日高地域一帯で栽培されているえんどう豆で、実が大粒で柔らかく甘みが強く、加熱すると色が鮮やかに出るのが特徴です。3月から5月が旬で、この時期になると関西ではスーパーにも並んでいて手に入れやすく、家庭ではよく豆ご飯にして味わいます。この「きしゅううすい」は「うすい」という品種を改良したものですが、「うすい」の方は、明治時代にアメリカから導入した豆を大阪府の碓井という土地で栽培したことから名前がつけられたといわれています。
収穫前のうすいえんどう
うすいえんどうの花は
11月下旬ごろに咲きます
さてそのえんどう豆を使った料理ですが、お米と一緒に炊くイタリアのリージ・エ・ビージと呼ばれるスープをご紹介します。お米を使うイタリア料理といえはリゾットが有名ですが、それ以外にもサラダやスープ、さらにお米のタルトなどのデザートまで、数多くのお米料理があります。リージ・エ・ビージのリージはお米、ビージはイタリア北部ヴェネト州(州都はヴェネツィア)の方言でえんどう豆を意味します。見た目はリゾットや日本のおかゆのようにも見えますが、正真正銘のヴェネツィアの伝統的なスープ。しかもヴェネツィアでは若くて水分のある柔らかい豆を使うことになっているので、春でなければ味わえない、とさえいわれているようです。
料理のポイントはなんといっても旬のさやつきのえんどう豆を使うことです。さやを煮出してその香りをしっかりと移した出し汁の中に米を入れて炊き、米の粒の中まで豆の香りを入れ込んでいきます。水分量と米の硬さを調節すると、リゾット風にも仕上げることができます。ぜひ皆さんも作ってみてください。
このコラムのレシピ
コラム担当
リージ・エ・ビージ
粉もの大好き
伊藤 雄大
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