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	｢半歩プロ｣をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。｢フレンチって難しくないよね｣｢語るで～！｣｢対談がしたい！｣｢研修先のレストランではなー｣。えー、お話し中すみません、それは｢家庭でできる｣料理なんですよね？みなさーん、聞いてますかー？だからテーマがあるんだってばっ！守って下さいよ～っ！

最近、デパートや駅構内などで目にするようになったお酢専門店・お酢BAR。
テレビや雑誌で紹介されることが多くなったお酢にひかれて、さっそく、お店に足を運んでみました。店内は、20代～年配の女性で賑わっていました。

   お酢といったら米酢かワイン酢位しか知らない私。どんなお酢が置かれているのか見てみると・・・・・。これまでお酢の名前としては聞いたことのないものばかり。店員さんに勧められるがままに、まずは色々なお酢を試飲してみました。試飲？そうなんです、この店のお酢はそのまま飲めるのが特徴です、あのすっぱい（はずの）お酢が！！

   ためしに少量ずつ飲んでみたのは、
   水（お湯）や牛乳で割って飲むカシス＆ローズヒップの酢、ザクロの酢。料理に合いそうなシークワサー＆パインの酢、マンゴーの酢。アイスクリームやヨーグルトの上にかけて美味しそうなブルーベリーの酢、苺の酢など。

   店内には、他にも定番商品や季節限定といった商品が20～30種類ほど並んでいました。中でも気になったのは、バナナを使ったお酢！？　バナナの香りはしないのですが、口に含んでみるとバナナの味とお酢の酸味が口いっぱいに広がりました。今まで出会った事のない味わいのお酢でした。

   店員さんに詳しい話を聞いてみたところ、
｢お酢は食欲増進や消化を助ける役割に加えて、昔から疲労回復にも効果があるといわれていますので、健康にも良いですよ｣。ふむふむと聞いてしまい、最後の｢健康に良い｣との説明で試してみたくなり、ついつい購入をしてしまいました。

   さらにお酢の奥深さに興味を持った私。
まずは、種類を調べてみました。日本で一般的なのは、お米などの穀物から作る穀物酢と、りんごなどの果物から作る果実酢です。では、ヨーロッパにはどのような種類のお酢があるのでしょうか。

赤と白のワイン酢とシェリー酒酢

   ヨーロッパを代表するお酢はワインから作るワイン酢で、これにはワインと同じく赤と白の２種類があります。その他にも、りんご酒から作るシードル酢、シャンパンから作るシャンパン酢、シェリー酒から作るシェリー酒酢、工程の途中までビールとほぼ同様に作るモルト酢、さらに、煮詰めたぶどうの果汁を樽で発酵・熟成させて作るという特殊な製法のバルサミコ酢などがあります。

   こうしてみると、お酢とお酒は深い関係でつながっていたんですね。そういえばフランス語では、お酢をヴィネグルvinaigreと呼びますが、これは｢ワインvin｣と｢すっぱいaigre｣という2つの単語がくっついてできた言葉。つまりお酢とはお酒がすっぱくなってできたものと表現されています。

   ヨーロッパにはこの他、ワイン酢にエストラゴン、ローズマリー、タイム、セージなどを漬け込んだハーブビネガーや、ワイン酢などをベースにフランボワーズ、カシスなどの果肉や果汁を加えたフレーバービネガーなどがあります。また最近では、ワイン酢を使用せずに果汁そのものをアルコール発酵と酢酸発酵させたフルーツビネガーも増えてきていて、果実の風味が楽しめるということで人気のようです。このフルーツビネガーって、日本の飲めるお酢に近い発想のものではないかしら？

   さて、今までよりもグッと身近に感じたお酢・・・、そんなお酢を使ってレシピ編では鶏の煮込み料理を紹介したいと思います。フランス料理ですが、材料がとてもシンプルなので家庭で簡単に楽しめます。添える野菜を旬のものに代えたり、お酢の種類をかえてみると面白いかもしれないですね。

   仕事や夏の疲れが出てくるこの時期に、料理に使ってみたり、そのまま飲んでみたり、お酢のパワーで元気に過ごしてみてはどうでしょうか。

このコラムのレシピ

コラム担当

鶏のヴィネガー風味煮

		オッパッピー！！！
		益田菜緒子

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