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連載コラム 菓子まし娘のお菓子講座
「作るのが好き、たべるのは大好き、そしておしゃべりも大好き」という三人娘が、楽しくおしゃべりしながら、お菓子作りの秘訣を伝授。さても女三人寄ればかしましい?いえいえ、「菓子まし娘」はどんどんお菓子が増えていくという意味もこめて「菓子・増し」なのです!基礎からはじめて、作り方をくわしく解説していますから、お菓子作りがはじめてという人でも安心してチャレンジしてください。
かしまし娘のレープクーヘンよもやま話
蜂蜜とスパイス入り、ドイツのクリスマス菓子
バウムクーヘン
作り方の方程式 レープクーヘン生地+レープクーヘン用香辛料+グラス・ロワイヤル=レープクーヘン
直子(以下N): ドイツのクリスマス菓子といえばはシュトーレンは前に紹介したけど、こんどはレープクーヘンです。レープクーヘンって言うとまず思い出すのが、ドイツやオーストリアで開かれる、クリスマス市。いろんな大きさの、色とりどりのレープクーヘンがあって楽しいよね!

治代(以下H): うん、初めてみた時、「あんな大きなの、どうするんだろ!?」って思ってなかなか買うことはできなかったなあ。しかも旅行中の身だし・・・・

レブクーヘン

亨子(以下K): この時期のヨーロッパは街全体がクリスマスムードで感動!!
クリスマス市もレープクーヘンも、ドイツのニュルンベルクのものが特に有名よね。

N : ニュルンベルクで有名なきれいな缶に入れて一年中売られているのは、薄いウエハースの上にメレンゲのような生地を絞って焼く比較的柔らかいもの。エリーゼンレープクーヘンとかヴァルヌスレープクーヘンって言われる。今回紹介するのは、一見すると型抜きクッキーのようだけどとても硬いもの。

H : そう!あの硬さには驚いた!!それと、あそこまで飾りつけたもの、「一体どうするの!?」って感じ。

N : 日本人の感覚からするとあまりにもカラフルだったので、売っているおばさんに「これ食べられるの?」って(片言のドイツ語で)聞いたら、「もちろんだよ!」って言われた。実際、ドイツ人は家庭でどんな風にレープクーヘンを扱ってるんだろうね。一度、ドイツに住んでいるkimiko先輩に聞いてみようか!

KH : そうしよう!!

レブクーヘン



N : ドイツ人は、買ったレープクーヘンをどうしてるんですか?

KIMIKO : 種類によって、それぞれの用途があるんだと思うけれど、一応食べることが目的。装飾的なものは、プレゼントにしたり、ツリーに飾ったりするみたい。でもドイツでは日本と違って、24日にならないとツリーの飾り付けを始めないのよ。

N : そーなんだ!長い間ツリーに飾ってほこりがかぶったようなもの、食べたくないなぁー、と思ってたんです。

H : レープクーヘンって、ふつうはクリスマス市だけで売っているものですか?

KIMIKO : クリスマス市の他にも、お菓子屋さんやパン屋さんでも手に入るよ。スーパーマーケットでは、夏休みが終わる頃(!)から登場。昔は、季節外れの販売はタブーだったみたいだけど・・・・。知ってる?!レープクーヘンのドイツ国内での消費量は、一般的には秋から冬にかけてしか販売されないにもかかわらず、年間一人当たり約4Kgなんだって。

H : えー。4キロ!!!

N : そ、それはすごーい。私、駅のキオスクなんかでもヘクセンハウスのキットが売られているのを見たんですけど、結構みんな作るもんなんですか?

KIMIKO : 子供の頃に作ったことがあるという人、子供のために準備をしたという人は結構いるみたい。でも毎年買ったり、作ったりという人は少ないんじゃないかな。

K : へー。家でレープクーヘンを作る場合は、いつ頃から準備するものなんですか?

KIMIKO : レープクーヘンなど、ヴァイナハツゲベック(クリスマスクッキー)の準備を始めるのは、アトヴェントの1〜2週目が多いみたい。アトヴェントは、クリスマス前の4週間の準備期間で、11月27日以降の日曜日から始まるのよ。ちょうどこの頃からクリスマス市も始まることになっているの。色々なクッキーを作って、なくなりそうな物から焼き足していくんだけど・・・・。でも家庭で沢山の種類を焼くのは大変だから、親戚や知人同士得意なクッキーを焼いて交換したり、作るのが難しいクッキーは買い足したりするみたいよ。

KNH : なるほど!


N : クッキーの交換ってすごく楽しそう。みんなこだわりがあるんだろうね。今回のレープクーヘンは、ヘクセンハウスもできるように硬いものなので、焼こうとする最低でも1ヶ月前(できれば3〜4ヶ月前)には生地を作って寝かしておかないといけないんだけど・・・・。寝かしている間に酵素活性や乳酸の働きで生地の状態が変わるらしい。

H : うーん、なんだか気が長くないとダメだね。デモそこまで計画をきちんと立ててヘクセンハウスができ上がったら、うれしいだろうなあ!!飾りをする時は子供も一緒にできそうだね。

K : ヘクセンハウスか〜 なんだか難しそう。生地の後は、でき上がりをイメージしてそれから型紙作りだね。

N : 紙で実際に家を作ってから分解して、型紙に使うとイメージ通りのものができるよ。

レブクーヘン

K : これってもしかして童話ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家と関係あり?

N : そう。直訳して、魔女の家。

H : まっ、魔女!?でもこんなお菓子の家なら住みたーい!!

N : グリム童話の中ではお菓子の家はレープクーヘンだけでできているわけじゃないけどね。クリスマス時期にヘンゼルとグレーテルのオペラが上演される事も多くて、色んな場所でヘクセンハウスが使われているんだって!お菓子屋だけでなく、薬屋や、ローソク屋さんでもレープクーヘンはディスプレーとして良く見たなー。

K : そうね。雪なんか降っているとよりクリスマス気分も盛り上がって・・・・
ところでヘクセンハウスの雪の感じはグラスロワイヤルですごく表現できているけど、飾りつけはどんなことに気を付ければいい?

N : 今回は、メルヘンっぽく色んな色を使ってかわいく飾りつけたけど、ちょっと怖そうな魔法使いのマジパン人形が飾ってあったり、マーブルチョコレートや市販のクッキーが貼り付けてあったりと色々!
年に一度のクリスマスだから、色々なアイディアで、オリジナルのレープクーヘンを・・・・子供のためにもうひと頑張りして可愛いヘクセンハウスを作って下さい!みんなで作るともっと楽しいかも!!

レブクーヘン

KIMIKO : Frau KIMIKO KOCHS(キミコ・コッハス)

辻グループ校卒業後、職員として勤務。退職して現在はドイツに在住。フランスとの国境に近いオッフェンブルクで『カフェ・コッハス』を営む。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ レープクーヘン
レシピ ヘクセンハウス

菓子まし娘
人物 小林 直子
人物 松谷治代
人物 古村 亨子
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