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連載コラム 菓子まし娘のお菓子講座
「作るのが好き、たべるのは大好き、そしておしゃべりも大好き」という三人娘が、楽しくおしゃべりしながら、お菓子作りの秘訣を伝授。さても女三人寄ればかしましい?いえいえ、「菓子まし娘」はどんどんお菓子が増えていくという意味もこめて「菓子・増し」なのです!基礎からはじめて、作り方をくわしく解説していますから、お菓子作りがはじめてという人でも安心してチャレンジしてください。
菓子まし娘のオレンジゼリーよもやま話

zeri
作り方の方程式 オレンジ + ゼラチン = オレンジゼリー
大林(以下O): まず、ゼリーといって思いつくものって何?

松谷(以下M): 水と混ぜるだけのゼリー

全員: よねー!

治代M: でも私作ったことないんよ。あのゼリーって色がきれいやん。それは着色料が入ってるからと言うことで、幼い私に母は「食べたらダメ」って言うて、あんまり食べさせてもらわれへんかった。

O: うわぁ、すごいきっちりしたお母さんやなぁ。

小林(以下K): ほんと、すごーい。

O: 私の子供の頃のおやつといえば、水と混ぜて作るプリンゼリーで、母と一緒によく作ってた。

M: 私もそのシリーズ作ってたけど、うちの場合はプリンとシャービックやった。でも、シャービックも着色料は入ってると思うんやけど・・・。

K: たしかに今思うとシャービックもゼリーもいい色してるよねー。

O: うん。でも私の家ではおやつの定番やったから、今でもたまーに懐かしくなって食べたくなる。

M: 私は未だに市販のゼリーすら苦手。自分で作ったり学校で作ってて、何を材料に使ったかわかってたら平気やけど、それ以外はちょっと・・・。

O: うわぁ。それってトラウマじゃあないけど、幼い頃にしっかり教育されてそうなってるんやぁ。

M: うん。なんかキレイな色のゼリーを食べるときは「悪いものを食べてる」って思ってしまう。でも、うちの母って一口ゼリーが好きで、娘の気持ちをよそに美味しそうに食べるんよ。

O: うちの母はコーヒーが好きで、私が中学生くらいの頃、母が飲んで余ったコーヒーでゼリーを作ってあげたりしてた。そのうち市販のをよく買うようになったりして、冷蔵庫にはいつも何かのゼリーが入ってた。

M: うちの母は一時コーヒーゼリーを作ることがマイブームになってて、近所のお家にまで配ってた。

K: ゼリー系のものっておかし作りの初期にはやり易いよねー。ゼラチンで固めるだけやし、寒天を使っても出来るし。

M: うん。寒天はよく利用した。私、粉ゼラチンを水でふやかすのが苦手で、2〜3回失敗して、ゼラチンで作るのは諦めてしまった。

K: 私も失敗してたけど、そのうちどうすると上手く行くか気付いたけど(笑)。

M: 私は気付く前にやめてしまったと(笑)。

O: あれって計量した水の中に少しずつ振り入れていくと、上手に水を含ますことが出来るんやけど、その振り入れるときの力のいれ具合にすごく気合いを入れてたなぁ。

M: 今は板ゼラチンも手には入り易くなって、値段も安いけど昔はちょっと高かった。戻すのは簡単なんやけどね。

K: そうそう。冷たい水の中に入れて全体の固さが同じになって、ゴムみたいに伸びればOKやもんね。

M: 長時間水に漬けて戻しすぎたり、強く引っ張りすぎると切れちゃうけど、冷水に入れるだけやし扱いやすい。ぬるい水に入れると溶けるから注意して欲しいけどね。

K: そうそう。他にも注意せんとあかんこともあるよねー。例えばフルーツによって固まらなかったり・・・。

O: うん。ゼラチンって牛の骨や皮などから採れるタンパク質を利用したものやから、「タンパク質分解酵素」という成分を持ってるフルーツを使うと固まらない。

K: 具体的にはどんなものがある?

M: キウイとかパパイヤ、パイナップルなんかがそう。食べ過ぎると舌がピリピリするフルーツって言えば判りやすいかな。

K: マンゴーなんかもそうやったよね?

O: そうそう。マンゴープリンはそのゼラチンの力が弱まることを利用してるよね。ガチッと固まらないでトロンと固まってくれる。

M: でも、フルーツに火を通してからゼラチンを加えると、分解酵素が弱くなってちゃんと固まってくれるんよね。

K: 缶詰のパイナップルなんて、火が通ってるからそのまま使うのにはぴったり。

O: 今回はオレンジ果汁を使ったゼリーやけど、みかんの缶詰の汁に水を加えて(甘さを調節して)ゼリー液を作って、そこに実を入れて固めてもいい。もしくはジュースをゼラチンで固めてゼリーにしてもいいと思う。

M: 飲みにくい野菜ジュースとかは?にんじんジュースに少し甘みを加えて固めたら、子供は気にならずに食べてしまいそうに思う。ハチミツで甘み加えたら健康にもいいし、風味もよくなるし。

K: でも、飲みにくいからって臭いの強いものは無理やんな?

O: うーん。臭いはごまかされへんと思う。

M: まあ、レパートリーは色々出来るよね。

O: うん。色んなもので作ってみて欲しいし、ゼラチンの量も好みで増やしたり減らしたりして欲しい。型から抜くタイプならちゃんと固まった方がいいけど、きれいな器でそのまま食べるなら、柔らかくていいから。

K: 早く食べたい時はゼラチンの量を増やせばいいの?

O: それもひとつの手やけど、ゼラチンを増やすとちょっと臭くなる。原料が動物性タンパク質やから、何か動物臭くなるというか・・・。急ぐ場合は流す器もゼリー液もきっちり冷やすといいよ。ただ、ゼリー液は冷やしすぎると、流す前に固まってしまうから注意して欲しいけど。

M: 小さな子供でも、ゼラチンさえちゃんと戻せたら簡単に出来るよね。

O: そう。簡単やし、果汁を替えたり、ゼラチンを調節してオリジナルも作り易いから、オレンジゼリーを手始めに色々と作ってみて下さい。

菓子まし娘


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ オレンジゼリー

菓子まし娘
人物 大林 万希子
人物 松谷 治代
人物 小林 直子
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