辻調グループNEWS LETTER vol.33(台湾・タイで「海外インターンシップ」実施)
豊富な実習時間を確保した食の教育機関 エコール 辻 東京
台湾・タイで「海外インターンシップ」を実施
20日間の研修で外国人と協働し、多様性を理解する力を育成
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エコール 辻 東京(辻調グループ、校長:辻芳樹)は、9月5日~24日の20日間、台湾とタイで海外インターンシップを実施し、4名の学生が参加しました。今回の実施には、訪日外国人の増加や外国人就労者の増加により、外食産業界で外国人率が高まるなか、彼らへの対応について日本の料理人にもさまざまなリテラシーが求められるようになってきていることが背景にあります。料理人を育成する教育機関として、調理技術の習得に加えて、外国人と協力して働く能力の開発や多様性を理解する力を育成することも必要であると感じており、これまで国内で行ってきたインターンシップに加え、海外で経験してこそ身につく問題解決能力や課題発見力の育成に期待し、海外インターンシップを実施しました。
料理人として、海外のホテルで研修を終えた学生にインタビューを行いましたので、ご紹介します。
◆研修先:台湾/リージェント台北
https://www.regenthotels.com/jp/regent-taipei
台北市の中心部にあり、優雅で格調高い雰囲気に包まれた台湾屈指の5つ星ホテルで、辻調グループの留学生の就職先の1つとなっています。
【研修生】加納 美季さん
>海外インターンシップに参加した理由
もともと海外に興味があって、卒業後は海外で働いてみたいと思っていました。在学中に海外インターンシップができると聞いて、今回の制度に参加しました。
>3週間の研修を振り返って
研修では3部門を経験しました。シーフードのカウンターでお刺身を提供したり、お寿司も握りました!学校の授業ではまだお寿司を習っていなかったので、現地のスタッフ(外国人)からお寿司の握り方を教えていただくという「異文化」体験もできました。やはり外国人から見たら、日本人なら魚をおろしたり、日本食全般に精通しているはず、と期待されていることがよくわかりました。料理を通して、食材の組み合わせや香辛料の使い方などに、台湾の食文化を感じることもできました。研修の最終課題として、料理を披露する機会がありました。一緒に参加した根本さんと協力して、日本の冷やし中華をベースに、台湾の食材を使用した新しい麺料理を考案したり、現地ではスイーツとして加工されることの少ない文旦を、試行錯誤の末、ケーキに仕立てることに成功しました。
>これからの抱負、夢について
海外研修をやり遂げた経験は大きな自信になりました。フランス料理の基礎を固めた後は、今回の経験を基に、海外で食に関する事業を展開したいと思っています。
【研修生】根本 彩奈さん
>海外インターンシップに参加した理由
小さい頃から海外が好きでいつか住んでみたい、働いてみたいと思っていました。今回、海外でのインターンシップを通して、海外で働くとはどういうことかを実感できるのではないかと思い参加を決めました。出発前に台湾の食文化を調べるとベジタリアンが多いということを知り、さらに関心が高まりました。
>3週間の研修を振り返って
3部門をローテーションし、最後のセクションでは、お世話になったシェフやスタッフの方々に創作料理を披露しました。研修中は、言葉の壁で行き違いもあったりしたのですが、現地で働いている日本語が話せる辻調の先輩が間に入り、サポートしてくださいました。お昼休憩の時には、厨房のスタッフの方々がわざわざUber Eats でタピオカを買ってくださり、ホスピタリティを感じました。
>これからの抱負、夢について
英語が堪能な方が何名かいらっしゃったので、英語でコミュニケーションをとっていました。今回の研修で、日本人として自分の得意なことは何であるのか、わかったような気がして手応えを感じました。改めて、英語の勉強を続けていきたいと思いました。いつか、多様な文化を持った人々が暮らしている国に移住して、料理をしてみたいと考えています。
◆研修先:タイ/デュシットプリンセス シーナカリン
https://www.dusit.com/ja/
バンコク市の中心にあり、デュシットグループが展開するホテルの1つです。デュシットグループが保有するデュシタニ・カレッジと辻調グループは2012年より教育連携しており、以来、毎年辻調グループの教員が、現地で日本料理講座の講師を務めています。
【研修生】谷本 陸さん
>海外インターンシップに参加した理由
小学生の頃から海外には漠然と興味を持っていました。高校生になると海外の価値観、世界観を知りたいと強く思うようになりました。イメージとしては、グランドキャニオンに立っている自分の姿というのがあります(笑)。いろんな可能性が広がるというイメージです。
>3週間の研修を振り返って
1週目はビュッフェのオープンキッチンでガオラオ(タイのスープ)を担当しました。2週目は、ベーカリーで粉をこねたり、ソーセージ入りパンやクロワッサンなどを作りました。3週目はオープンキッチンとベーカリーを交互に担当しました。仕上げには、日本式のうどんを作るのが課題で出され、麺打ちからやりました。タイ語で何を言われているのかわからないときもありましたが、ジェスチャーを交えて意思疎通ができたので、海外でもやっていけそうだなと思いました。
>これからの抱負、夢について
海外で研修してみて、日本食がどのくらい普及しているのか実感できました。自分以外は全員海外のスタッフで、福岡か海外で店を出すという将来設計を固めていきたいと、改めて決意しました。また、研修先で出会った、同じ料理人を志すデュシタニ・カレッジの学生たちの前向きな姿勢にもたいへん刺激を受けました。
【研修生】柴田 憲伸さん
>海外インターンシップに参加した理由
中学生のときに修学旅行でシンガポールに5日間行ったことがあり、海外には興味を持っていました。今回、海外で研修できるということで、このプログラムに参加しました。
>3週間の研修を振り返って
普通の旅行と違って、渡航前には少し緊張感を持っていましたが、現地では、タイ語しか話さない人もとても優しく接してくれ、言葉ではなく、表情や仕草でも通じ合えたことは大きな喜びと発見でした。もちろん、語学がもっとできたら、もっと多くのお客さんとコミュニケーションがとれたのに、とは思いました。タイの方々は、とても挨拶を大切にしており、知らない者同士でも笑顔で手を合わせながら挨拶をしてくれました。その笑顔の挨拶だけで、1日中ずっとハッピーでいられる気がしました。海外でもコミュニケーションがとれるという自信がつきました。
>これからの抱負、夢について
海外で研修をして、厨房の中でもお客さんと接する時でももっと英語力を磨かなくてはいけないと改めて思いました。まずは日本で就職するつもりですが、ある程度キャリアを積んだら、海外の文化やさまざまな土地の味覚にも触れて勉強したいと考えています。さらに将来は、地元の千葉県でイタリア料理店を開ければと思っています。
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今回の海外インターンシップでは、学生の志向性や海外での受け入れ体制などの調査要素もありましたが、現地での評価や学生へのインタビューを通して非常に手ごたえを感じております。近年、増加する留学生への対応や、アメリカ、韓国、タイなどの海外の教育機関と積極的に連携してきた辻調グループは、これまで"対外国人学生"への料理技術習得カリキュラムを充実させてきました。今度はそれらのネットワークを使って、世界における"対日本人学生"という視点で、彼らが世界でも活躍できるよう、また世界の方々と協働する力を在学中に身につけられるよう、学びの機会を広げていきたいと考えています。
※「辻調グループ」は、創設者・辻静雄の<建学の精神><ビジョン>を共有し、教育の実践的研究を目的に形成されたコンソーシアムで、辻調理師専門学校、辻製菓専門学校、エコール 辻 大阪、エコール 辻 東京、辻調グループフランス校が属しています。
<お問合せ>
辻調グループ企画部:渡邉、尾藤
TEL:06-6629-0206
E-mail:tsujichopress@tsujicho.com
辻調NEWS LETTER Vol.33