こだわりぬいた、ガレット・デ・ロワコンテスト!
11月2日に行われた第20回ガレット・デ・ロワコンテストにおいて、
本校学生が1位、2位、3位に輝きました!
今回は、このコンテストまでの練習の様子などをお伝えします!
さて、皆さんは「ガレット・デ・ロワ」とはどんなお菓子か知っていますか?
ガレット・デ・ロワは、アーモンドクリームをパイ生地で挟み、
パイ生地の表面にナイフで模様を入れ、焼き上げたお菓子です。
本来このお菓子は1月6日の「公現祭」(イエス・キリストの顕現をお祝いする日)に食べられ、
家族や友人たちが集まる際に食べられる新年には欠かせないものです。
中には「フェーヴ」という陶器のお人形が入っており、
それが当たった人はその年の幸運が約束され、王冠を被ってお祝いしてもらいます。
筆者自身、伝統菓子ともいえるガレット・デ・ロワを囲んで楽しむ習慣が、
今もなお大切にされ続けているフランスの食文化を大変感慨深く思いますし、
それが日本でも少しずつ親しまれ始めていることが嬉しくもあります。
(フランスの街中で売られているガレット・デ・ロワ)
さてさて、話が逸れてしまいました...話を戻して、コンテストまでの様子をお伝えしていきます!
このコンテストはまず第1次審査として書類審査が行われ、
それを通過した選手は最終審査に進むことができます。
遡ること9月頭。実技形式の校内予選を行い、コンテストに出場する学校代表選手を6名決めました!
ここから9月はほぼ毎日、書類審査に向けてひたすら練習。
見事6名全員が書類審査を通過することができたので、
ここから最終審査に向けてさらにブラッシュアップしていきます。
最終審査では審査時に試食も行われるので、美味しさを求めて細部までこだわっていきます。
ガレット・デ・ロワを作る上で気にするべきポイントはたくさんありますが、
学生にとって、まず課題となったのは、「いかにきれいにパイ生地を折り込めるか」でした。
パイ生地は、薄く伸ばしたバターをデトランプ(小麦粉、水、バター、塩を練ってまとめたもの)で包み、
それを伸ばして3つに畳む。
向きを90度変えてまた伸ばして3つに畳む。
という作業を6回繰り返すことが基本です(3つ折り6回)。
これを行うと、バターとデトランプが729層になって重なることになります。
これが、パイ生地のあのサクサク感につながるのです。
文章では一見簡単そうに見えますが、やってみると実は難しい...!
バターが溶けないように手早く、でも丁寧に。
注意すべき点がたくさんあります!
この折り込みがうまくいかないと、層が崩れてしまい、食べた時の歯触りや口溶けが悪くなってしまったり、
生地がきれいに浮かず、見た目が悪くなってしまったりレイエもきれいに開かなかったり...。
うまくいかなかった時には、どうしたら良くなるのか、あらゆる原因を探って改善策を立てていきます。
そして、焼き加減も、最後まで苦戦したポイントでした。
焼きが甘ければ、火が通っていない生の状態の生地が残ってしまい、歯触りが悪くなります。
ですが、焼きすぎると中のクリームにまで火が通ってしまい、
パサつきや焦げ臭の原因にもなってしまうのです。
その他にもたくさんの課題をそれぞれが感じつつも、
お互いに発見やコツを教えあいながら練習を重ねてきた2か月間。
最後には、かなりレベルの高い完成度までもっていくことができ、最終審査に臨みました。
こうして得られた、1位、2位、3位という好成績。
ですが、一緒に練習してきた6人のうち3人は入賞を逃し、悔しさもあったはずです。
それでも結果が出た後にも、みんなでよかったところや、他の出場者の作品の話を共有したり、
会場にいらしていた審査員のシェフの方々にも積極的にお話を伺いに行く姿は、
みんながそれだけガレット・デ・ロワと向き合い、
コンテストの域を超えて一つのお菓子に探求心を持つことができた証拠なのかな、と感じました。
日々の練習を見ていて、2か月前とは比べ物にならないほどの技術力も身につきましたが、
お菓子と向き合うことで得られる思考力や集中力も格段に上がったように感じています。
学生時代にこのような経験ができたことを大切にし、ぜひ今後に生かしていってほしいです。
改めて受賞者のみなさん、おめでとうございます!
出場者のみなさん、お疲れ様でした!!!
受賞者コメントはこちらから↓
第20回「ガレット・デ・ロワ コンテスト」エスポワール部門 1位・2位・3位独占!|辻調グループ - 食のプロを育てる学校 (tsuji.ac.jp)