Pâques パック(復活祭)
Bonjour, 辻調グループフランス校教務部です。
昨日はキリスト教の宗教行事の中でも最も重要とも言える「Pâques パック 復活祭」の日曜日でした。日本ではイースターと呼ばれることが多いですね。フランスのようにキリスト教が重要とされている国ではその翌日の月曜も祝日となります。
復活祭とは、イエス・キリストが十字架にかけられて死んでから3日後に復活したことを記念したお祝いの日です。ミサなども行われますが、一般の家庭では特に子供がいる場合は「卵探し」をして遊ぶことが多いです。キリスト教では以前ご紹介した「マルディ・グラ」の翌日から復活祭まで動物性の食物を食べることを控えますが、その間に家で飼われている鶏がどんどん生む卵も食べられません。復活祭ではその卵を使って卵探しをする、と言われていますが(40日間以上ありますので最初の方に産まれた卵は使えませんね)こちらについては諸説あるようです。この卵、本物の卵を使うこともありますが、近年ではチョコレートで作られた卵が普及しています。卵を探して見つけた子供たちも普通の卵よりもチョコレートの方が嬉しいですね。
お店に並ぶ卵型のチョコレート
復活祭近くになってパティスリーに行くとかわいらしい卵型のチョコレートがたくさん並んでいます。その中には卵だけでなく鶏やウサギ、鐘の形のものもあります。鶏は卵からの連想、ウサギは豊穣のシンボル、鐘は「教会の鐘が卵を運んでくる」と言われがあったりすることから使われているようです。子供たちにとっては「復活祭=チョコレートがたくさんもらえる日」となっています(笑)。
チョコレートの他に、特にアルザス地方では「アニョー・パスカル」という名前のお菓子が作られます。アニョーは仔羊、パスカルは「Pâquesパック」の形容詞です。聖書の中で仔羊は生贄として差し出されます。ユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」で生贄として仔羊を食べていた習慣に由来し、復活祭に仔羊の料理を食べる習慣は西洋諸国に定着しています。仔羊型のお菓子もそこから来ています。仔羊型の陶器で焼かれたかわいらしいお菓子です。
粉砂糖がふられリボンがかけられた可愛い仔羊型のお菓子です。
フランス校製菓職員作成のアニョー・パスカル。可愛いですね。
ご家庭で仔羊料理を食べたり、卵型のチョコレートを食べたり、キリスト教の行事ではありますが、この日はフランスらしいグルメな休日となりますね。