FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

川上 真歩さん 研修先:Maison Viennet(メゾン・ヴィエネ)

研修生レポート

2020.11.25

※新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、フランス校が休校中のため、卒業生の協力を得て過去の体験レポートをアップしています。

川上 真歩 KAWAKAMI Maho
長野・松本蟻ケ崎高校卒
辻調グループ出身校 エコール 辻 東京 辻製菓マスターカレッジ
2018年秋コース レクレール校 製菓研究課程
研修先:Maison Viennet(メゾン・ヴィエネ)

私の研修先はメゾン・ヴィエネMaison Viennetです。
フランス東部、スイス国境からわずか10kmの町モルトーMorteau駅を降りて車で東に10分の所にあるヴィレール=ル=ラックVillers-le-Lacという田舎町にあります。店舗が3軒あり、私の働くお店で全てのパンを焼き、配送しています。
オーナーはM.O.F.(フランス最優秀技術者章)受章者で、シェフはその息子さんで、優しい人です。
クロワッサン等の成形がとても速く、誰も追いつけません!

毎日、製パンセクションには6〜7人、お菓子セクションには5〜7人働いています。ラボは分かれており、私は製パンセクションで毎日働いています。
売り場は小さいですが、ラボはとても大きく、パン生地をつくる場所が二つと、パンを成形する場所が一つ、釜の焼き場が一つあります。
地下にはサンドウィッチを作る場所と材料庫があります。

お店には常にお客様がいて、注文も毎日たくさん来る人気店です。


最初の頃はまず出勤したらパン焼成前の仕上げをします。
フルーツをカットしてのせたり、アーモンド・クリームを絞ったりします。そのあと日替わりのピザを作り、その後その日の注文の品を揃えて箱に入れ、三つのお店に分けて配送します。そのあと次の日のパンを並べエチューヴ(ホイロ)に入れます。
6:00からクロワッサン、クロワッサン・プラリネ、パン・オ・ショコラの成形をして休憩、その後日替わりでパンの成形をして終わりです。

今と内容はほぼ変わりませんが、教えてもらいながらやっていたのがなくなり、全て一人で考えて行動すること、朝一でクロワッサン生地に詰め物をしたり、注文の品を揃える量が多くなったり、次の日のパンをグリユに並べる作業を1から準備させてもらったりしています。


ロッジのようなお店にはテラスもあって休憩に使ったりします。また、住居はお店の隣にある建物で、寮のような場所です。共同トイレと共同シャワー、共同洗濯機、共同キッチンがあり、自分の部屋には棚とベッドがあります。2、3、4階が住居スペースになっており、私の部屋は3階の角部屋です。

2階に住む同僚と私は毎日共同キッチンでご飯を作っているのですが、たまに味見をし合うことがあります。この前ネルソンにソーセージのかけらをもらって食べたのですが、まるで砂糖漬けされたソーセージのような味で驚きました。彼はとても美味しいのに!と言っていましたが、住む国が違うとこんなにも味覚が違うんだなと思い知らされました(笑)。


仕事場には学校に通いながら働いているフランス人が多く、23〜19歳と年齢は近いです。仲の良いフランス人は23歳の男性です。とても日本が好きで、漫画と、日本車をこよなく愛しています(笑)。
私が失敗しても励ましてくれ、仕事中は端からいろいろなものを食べ、よくふざけてきますが私は彼にとても救われています。
近隣の町は徒歩では行けず、たまにフランス人に連れて行ってもらいます。
お気に入りの場所は2つあり、1つ目は近くの山の川や滝の風景です。日本では味わえない風景で心が浄化されます。
2つ目は隣町のスイスのヌシャテルNeufchâtelという町で、大きな湖があります。一緒に住んでいる同僚とピクニックに行きました。空気が綺麗で自然が溢れており、日向ぼっこに最高の場所でした!


休みの日はあまり出かけません。製パン店なので勤務時間が2:00〜12:00ということもあり、休みが二日あっても出かけるのは難しく、徒歩では駅に行くことはできないので、休みの日は部屋で過ごしていることが多いです。
ただ、シェフがこの町のサッカーチームに所属しているので、私もたまに試合を見に連れて行ってもらうことがあります。
ですが、運よく連休をもらえたりすることもあり、私は4連休をもらえた時にヴァカンス中に行けなかったストラスブールと懐かしのリヨンに出かけることにしました。
容易に行ける距離ではないですし、お金もかかりますが、出かけると研修中には感じられないフランス文化を感じることができ、とてもワクワクしました。
改めてフランスはとてもいい国だなと感じた休みになりました!


仕事面では、パンの種類の豊富さが特に勉強になっています。
パンにトマトソースを入れたり、ワインを入れたり、バゲッドにノワゼットやフィグを入れたり、私が出会ったことがないパンがたくさんあり、私の想像をこえてきてワクワクします!

フランス校にいた頃はフランス人の中で一人で働くなんて考えただけで逃げ出したかったし、辛い毎日なのだろうと思っていました。ですが今では毎日楽しいです。
もちろんよく怒られますし、わからないことがあってもなかなか上手く言葉にできず伝わらないのが嫌で作業が止まってしまったり、まだまだ力不足で落ち込んでも、毎日励ましてくれる同僚がいるからまた頑張ろうと思えます。
フランス校最初の頃は怒られたらへこみ続け切り替えができなかったのですが、次第に切り替えができるようになりました。小さなことですが私にとっては大きな進歩です。

将来の目標は今私の中で溢れているパンのアイデアをもっと増やし、将来自分の地元で個人店を開くことです。
フランス校に行かせてくれた親と祖母に感謝しています。

スーシェフとのツーショット