蔵田 眞子さん 研修先:「PATISSERIE VERGNE」
蔵田 眞子さん
KURATA Mako
三重・四日市農芸高校 卒業
[エコール 辻 東京]辻製菓マスターカレッジ フランス校留学コース 卒業
2013年秋コース レクレール校製菓研究課程
研修先:PATISSERIE VERGNE
「幅広い仕事への対応が必要です」
私はいまリヨンの北東、フランシュ=コンテ地方にある「パティスリ・ヴェルニュ」で研修しています。ルレ・デセールというフランスの製菓業界を代表する協会に加盟している人気店です。店には頻繁にお客さんが入り、店内は日本を意識した内装が多くあります。
店内もラボも結構広いですよ。Pâtissier(パティシエ)、Chocolatier(ショコラティエ)、Glacier(グラスィエ/冷菓)、
Traiteur(トレトゥール/惣菜)と、さまざまなポジションの仕事を幅広くやっています。
Petits Gateaux(プティガトー/小菓子)出し、Sucre(スュークル/砂糖)出し、フルーツカット、
Chocolat(ショコラ)やTraiteur(トレトゥール)の手伝い(惣菜カットや下処理)、今はモンブランの
montage(モンタージュ/組み上げ)からfinition(フィニション/仕上げ)までやらせてもらっています。
あとは生地を合わせるときの手伝いもしますね。
少し離れた場所にあるホテルのレセプション用に小菓子や惣菜を送ったりしもしてます。シェフはよく日本語を話してくれます。とてもユニークな方です。他の同僚の方もほとんどがいい方で、「これは日本語でなんて言うの?」とかよく話しかけてくれます。私は通常はオーナーシェフのヴェルニュさんではなく、シェフパティシエ的な立場のフランス人について仕事をしていますが、その方は職人としてプロ意識の高い厳しい方です
「フランスで生活しながら文化を学ぶ」
この街は、お年寄りと小学生が多い、穏やかな街です。季節の関係してると思いますが、最近はくもり空が多いですね。大きな川の流れる美しい街オーダンクールにある、近くの川の見える橋がきれいです。
休みの日には、カラダを休める以外には特別な活動はしていませんが、自炊ができる住居なのでご飯をつくったり、洗濯に行ったりしてます。近くに遊んだりするところは何もないので、街並みを見に散歩に出かけたりしてます。「暇」というとイメージが悪いですが、そんなのんびりした時間があるのもフランスのよいところなので、公園にふらふらと出かけたりしてます(笑)
同じ店にもうひとり同期のフランス校生がいて、一緒に住んでいるので、彼女がよくご飯をつくってくれます。余ってもらったケーキを二人で分けてお茶会をやったりもしました。
「人間として、少し強くなった気がします」
現場に出て改めて学んだことは、「とにかく速さ」です!どんなことよりもまず、速く仕事をこなすことです。でも、その中でも丁寧できれいな仕事をすること。基本だけど、なかなか難しいです。あと、仕事は一度見たら覚える、段取りさえ理解できれば色々な仕事がもらえます。フランス語を聞き取って、コミュニケーションをとることが大事です。大変なこともたくさんあります。でも、研修を通じて精神的にもほんのちょっと強くなった気がしてます。弱音や不安を吐くだけじゃなくて、今いる現状で吸収できるものすべてを勉強してこようと思ってます。
今後のことはまだわかりませんが、フランス校のある先生に、洋菓子以外に興味のあること、と聞かれて、宇宙と星だよ、って答えたら、「宇宙食ならぬ宇宙菓子をいつかつくるっていうのはどう?」と言われました。当分それを目指そうかな(笑)。