Astrance(アストランス)
今回はパリ16区のエッフェル塔の近くにある
ミシュランガイド3つ星のレストラン、Astrance(アストランス)をご紹介します。
シェフのPascal Barbot(パスカル・バルボ)氏は2000年に店をオープンし、半年でミシュランガイド1つ星を獲得。
その後2005年に2つ星、2007年に3つ星となり、現在までその星を保ち続けています。様々な国からインスピレーションを得ることが好きなシェフは自信が経験してきたものを組み合わせ、料理の中に表現しています。バニラ、パイナップル、醤油や柚子などといった食材を取り入れ、多くの人を驚かせています。
内装は3ツ星レストランでは珍しくカジュアルな空間になっています。
サーヴィスの方もジョークを交えながら料理を提供しています。30名程度の席数のある広さです。
アラカルトはなく、
コースは95€(ワイン付き145€)、170€(ワイン付き250€)、250€(ワイン付き370€)があります。
左がアーモンドのチュイルと中に火を通したりんごが挟んであります。
右がグレープフルーツとトリュフのタルトレットです。
アストランスのスペシャリテ、シャンピニョンとフォアグラのタルトです。
生のシャンピニョン、フォアグラ、りんごが層になっています。
レモンのマーマレードとヘーゼルナッツオイルが添えられています。フォアグラを生で使用しているのが衝撃的でした。
フライパンでゆっくり火を通したホタテと牡蠣、サッとゆでた牛の骨髄、タイム風味のブレゼをしたキャベツを合わせています。
昆布のバターが添えられており、すべてを混ぜ合わせながら食べ合わせていきます。中にはきゅうりの漬物が入っておりアクセントとして隠れていました。
しっとりと仕上げたルジェと酢飯、醤油で香りをつけた白ワインソースが添えられています。
酢飯の中にはシトロンキャビアのプチっとした食感があります。
寿司をそのままフランス料理で表現した1皿になっていました。
ルジェを食べている途中で提供されました。
青りんご、生姜、バジル、コリアンダーを合わせチュイルで巻いてあります。
ルジェの寿司のイメージに伴い、こちらはガリをイメージする1品でした。
サーヴィスの方が焼きあがったハトのパイ包みを見せて頂きました。
ハトとフォアグラをパイ包み焼きにした1皿です。
ソースはハトのジュをベースにしたトリュフ入りのソースを目の前でかけてもらいます。
新芽のサラダにたっぷりのトリュフがかけてあります。
トリュフの香りがとても引き立っており、ハトはパイ包みの中にしっかりとうまみを閉じ込めてジューシーに仕上がっていました。
鴨とグリオット、ビキニョスというブラジルの甘いピーマンを組み合わせています。
ソースは鴨のジュをベースにした濃厚なソースになっています。
鴨の料理と一緒に鴨の内臓を使ったトーストが添えられています。
下にはゆっくり火を通した柔らかい鴨のもも肉がありました。2つのお皿で鴨全体を表現している1品となっています。
冷たいデザートの1品です。サーヴィスの方が提供をされた時、「これには4つの材料が入っています。
その材料を探して当ててみてください。」と伝えられました。
このサーヴィスもアストランスらしい提供の仕方の一つだそうです。
4つの材料はじゃがいも、バニラ、レモンタイム、フロマージュブランでした。
じゃがいもの冷たいピュレ、バニラのアイス、レモンタイム風味のフロマージュブランは食べ合わせていくとヴィシソワーズをイメージする1皿となっていました。
唐辛子、生姜、ライムの冷たいグラニテです。食べていると後味がピリッと辛くアクセントとなっていました。
ヨーグルトクリームの上にカカオとはちみつ、白ごまのクリームを層にしています。
マンダリンのピュレが添えられてあります。
ヨーグルトのデザートと一緒にバカバという東南アジアのお菓子をベースにしたものが提供されました。
しっとりとしたバカバの生地に合わせてパンプルムースのコンフィ、ジュレが添えられています。
ココナッツのアイスとメレンゲ、クレームシャンティを組み合わせたアストランスならではのヴァシュランです。
食べ進めていくと添えてあるパッションのピュレの酸味を感じ、違った味を楽しむことができます。
卵の殻の中にジャスミン風味のムースが入っています。
液体状になっており、味はミルクセーキをイメージした1品です。
はちみつと栗を使ったマドレーヌです。
アストランスではデザートにその季節のフルーツが提供されます。こちらもアストランスならではの提供です。
食事後にPascal Barbot(パスカル・バルボ)氏とお話をさせて頂きました。
料理全体を食べてみて私が食べてきたフランス料理とは違う発想が多くあり、どのようにして料理を考えているか質問をしました。Pascal Barbot(パスカル・バルボ)氏はまず旬のものをメインして考えるそうです。
料理で大切なことは火入れ、味付け、そして切り方であり、それぞれの方法を素材に合わせて行います。それぞれの組み合わせを、多くの経験からよりおいしくするために何を合わせるか、ということを常に考えることが大切だとお話しされていました。
3つ星の中でもカジュアルな雰囲気でありながら洗礼された料理。
新しい発見ができ、独創的で思いもつかないような料理を体験することができます。フランスだけでなく世界が注目するレストランです。予約を取ることが難しいとされていますが是非チャレンジをして、アストランスの料理を堪能してみてください。
『Astrance』
住所:4 Rue Beethoven, 75016 Paris
営業:火曜日~金曜日 昼 12:15~13:15
夜 20:15~21:00
電話:01 40 50 84 40
HP :http://www.astrancerestaurant.com/