JEREMY GALVAN(ジェレミー ガルヴァン)
「美食の街」として日本のガイドブックでもおなじみのリヨン。レストランガイドブックとして世界的に有名なミシュラン2015年度版では、各レストランを「クラシックCLASSIQUE(格式のある)」, 「トラディショネルTRADITIONNELE(伝統的な)」,「モデーヌMODERNE(現代的)」など様々な項目で分けています。とりわけ、リヨンの欄では「ブションBOUCHONS」と呼ばれる伝統的なリヨンの地方料理を食べさせてくれるレストランが別項目で紹介されているほどの土地柄です。
そんなリヨンにあって、ミシュランから「クレアティブCREATIVE(創造的)」の項目で分けられたレストランが4店あります。今回はそのうちの1つ『ジェレミー ガルヴァンJEREMY GALVAN』を紹介します。
レストランは世界遺産にも登録されている旧市街の一角、サン・ジャン教会の近くにあります。
店内はオレンジを基調とした作りで、むき出しの石やコケをみたてたような飾りがあり、旧市街に多くある他のレストランとは違った内装です。
3種類あるメニューのうち、今回はラシェ プリズLâchez prise!(手放す!)を注文しました。
メニュー構成はチーズ、デザートを合わせて7品で65ユーロ、または9品で85ユーロでした。
料理に合わせたグラスワインも注文できるようにもなっていました。
まずは4品同時に出てきました。
左からテールterre(大地),メールmer(海),オeau(水),フュメfumé(煙)と名前がつけられており、「左から食べてください。」と言うことでした。
内容は、
・生のラディシュと砂状に砕いた黒ゴマとピーナッツ
・地元のチーズ サン・マルスランのムースを詰めたチューブ
・干し草の香りを移した水
・燻製し周りのみ火を通した牛肉と色濃く炒めた玉ねぎ でした。
次にでてきたのはフォワ・グラのムースにティユール(菩提樹)の香りをつけたジュレを重ね、生のセロリラーブと濃いサツマイモのピュレが添えられています。
1品目は西洋ごぼうのコンフィにかきのソテです。牡蠣の汁を使ったソース、ごぼうの皮のソテとイクラが添えられています。
2品目はフォワ・グラのソテに2種類の食感(生とピュレ)のポティマロンを合わせ、酸味、味の強いペルー産のエストラゴンを添えた一品でした。
3品目はアンコウにセップのパウダーをつけて焼いた料理です。人参のピュレとキャビアで作ったチップが添えられています。
4品目はリムーザン産の子羊に貝類のブイヨンを合わせた一品です。レモンのコンフィとパニスという冬の根菜をピュレにして添えられています。
チーズ2種類から選べます。
左はカンタルというチーズを、2種類の切り方(棒状と薄く削る)で組み合わせて見た目だけではなく食感にも変化を与えています。カプシーヌという辛みのある葉と組み合わせています。
右はフロマージュ・ブランです
デセールはオゼイユのスフレグラッセ、タイムシトロン風味のクッキー、バニラ風味のムースにシャンパーニュの泡が添えられています。
もう一品、燻製したチョコレート、ミルクチョコレート、燻製したミルクのムースを組み合わせ、生姜とレモンをアクセントにし、ラムとカラメルのゼリーを添えた、チョコレートづくしのデザートも提供されました。
コーヒーとともに出されたのは、ミステリーmystèreと言われた中身が秘密の小菓子です。
今回紹介したメニュー以外にも「香り」をテーマにしたメニューがあり、提供された料理ごとにスプレーで香りを足すなどの工夫を凝らしています。
ジェレミー ガルヴァンJEREMY GALVANシェフは今年32才。
レオン・ド・リヨン、アレクサンドラン、ラルカン・シエル、トゥール・ローズ、レ・ロッジュなどリヨンにある有名レストランやホテルで修業をした後、4年前にレストランをオープンしました。
「自分の創作した料理を、お客様と分かち合いたい。」と創作意欲満々に言われていました。
レストランが取引している業者をメニューのなかで紹介しているのも、地元の素材を大切にし共有しようというシェフの姿勢と思われます。
リヨンでは伝統的な料理を食べることが多くなると思いますが、若さ溢れるシェフのオリジナル料理も食べてみてはいかがですか?
料理を好きなお客様が食事の時間やレストランでの会話、雰囲気を楽しみに訪れるレストランの一つだと思います。
JEREMY GALVAN
29 rue du boeuf, 69005, Lyon,
Tel,+33 4 72 40 91 47