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Loiseau des Vignes (ロワゾー・デ・ヴィーニュ)

フランス校 食べ歩き日記

2024.02.23

今回紹介するレストランは、ブルゴーニュ地方ボーヌにある『Loiseau des Vignes』(ロワゾー・デ・ヴィーニュ)です。

このお店はミシュランガイド2ツ星を獲得しているLa Côte d'Or コート・ドールをはじめとする、ベルナール・ロワゾー・グループの一店舗で2007年にオープンしました。場所はボーヌの街の中心で、有名なオスピス・ド・ボーヌの近くあります。
店名にあるVignes (ヴィーニュ)とは"ぶどうの木"という意味です。名前のとおりワインに特化したコンセプトのビストロで、グループのM.O.F.(フランス国家優秀職人章)ソムリエであるエリック・ゲーテルマン氏が、厳選してそろえたブルゴーニュ地方のワインなどを自分の好みや料理に合わせて、120ml(グラス)、360ml(カラフ)、750ml(ボトル)と量を決め飲むことができます。
グラスワインは32種類から選ぶことができます。フランスのどのレストランに行っても30種を超えるワインをグラスで選ぶことはできません。なぜかというとワインは抜栓をすると状態がどんどん変わっていくとてもデリケートな飲み物だからです。こちらのお店では新鮮な状態を保つために自動サーバーを取り入れ、温度管理やサーブと同時に食添用窒素ガスを注入することで品質を保持し、美味しさをキープしているのでたくさんの種類をグラスで提供できます。
お店に入ると中央にサーバーがあり、どの席からもワインが見える状態のプレゼンテーションになっていました。


ブルゴーニュの白ワイン



ブルゴーニュの赤ワイン

店内は木の温もりを感じつつ、赤と白でまとめられたシックな内装です。
席数は店内が50席、夏にはテラス席も増えます。

メニューはお昼のコース38€と単品メニューに分かれています。
単品メニューはベルナール・ロワゾー氏のスペシャリテをオマージュしたメニューもありました。
今回はお昼のコースをいただきました。
前菜、メイン、デザート3品です。

まずは、アミューズでグジェールです。

ブルゴーニュ地方では定番のアミューズでチーズをたっぷり使って仕上げられていました。

白ワインはベルナール・ロワゾーのシャブリ2019年です。



自動サーバーで入れていただきました。
香りはジャムにしたアプリコット、色は黄金色、口に含むと濃厚な蜜のような味わいでした。
私の個人的な感想ですが、今まで飲んだシャブリのイメージはレモンのような酸味があり、すっきりした飲み心地でしたが今回は新しい発見がありました。
時間がたつとレモンのようなはっきりとした酸味も味わう事ができ、1種で2度楽しむことができました。

次に前菜料理です。

『Velouté de potimarron épicé moule de bouchot à la baie du Mont Saint Michel』

モン・サン・ミッシェル産のムール貝を入れたかぼちゃのスープです。
スープにはポティマロンという甘味のあるかぼちゃの品種を使用し、トンカ豆を加えコクを出しています。そこにモン・サン・ミッシェル産の大粒のムール貝を使っています。仕上げはエクストラバージンオリーブ油、シブレットとアマランサスをプラスし、フレッシュさのある温かいスープでした。
前菜料理とペアリングでおすすめされたワインを紹介します。
ジャン・バティスト・ポンソのリュリー・プルミエ・クリュ・モレム2021年です。

香りは樽の香ばしさ、上品な酸味とミネラルを感じすっきりした飲み心地で料理とのマリアージュを感じました。

次にメインの魚料理です。

『Filet de maquereaux de ligne Hollandaise à la moutarde au yuzu Edmond Fallot』

さばのポワレとブルゴーニュ産の粒マスタードと柚子を使ったオランデーズソースです。
さばは半身を使用し、焼き目を綺麗につけジューシーに仕上げていました。つけ合わせは根セロリとりんごを使ったピュレです。オランデーズソースは、ブルゴーニュ産の老舗ファロ社の粒マスタードに柚子の酸味を効かせていました。
仕上げにハーブオイルと香草、竹炭パウダーを飾っていました。
さばのふっくらとした食感とマスタードの香りと酸味のあるソースの相性がとてもよかったです。

メイン料理とペアリングでおすすめされたワインの紹介をします。
セリエ・オー・モワンヌのジヴリー・ル・プティ・セリエ2019年です。

色は深みのある赤色で、赤い果実の完熟した香りと樽の香ばしさ、すっきりとキレのある飲み心地でした。魚料理と赤ワインはどんなマリアージュなのか気になりましたが、青魚の独特な臭みもすっきりと包み込みとても相性が良かったです。

次にデザートです。

『Tarte façons Mont blanc』

モンブランのタルトです。栗のペーストは甘味が控えめで栗の味をダイレクトに感じられるシンプルな味でした。中のクリームはマスカルポーネにバニラビーンズを加えたもので栗のペーストとも相性が良かったです。

プティ・フールはチョコチップ入りのフィナンシェです。


セットメニュー以外のデザートも5種類ありました。
デザートも華やかな見た目でとても美味しそうでした。

ビストロという事を忘れてしまうほど洗練された料理、ワイン、そしてデザートへもこだわりを感じました。上品な雰囲気でとても快適な空間でした。
是非ボーヌを訪れた際は足を運んでみてはいかがでしょうか。
今回は番外編で他にもボーヌの街のお勧めの場所を紹介します!

1件目は『Charcuterie Raillard』です。

ボーヌの街の中心にある加工肉のお店です。ブルゴーニュ地方の郷土料理にジャンボンペルシエがあります。このお店は2007年にコンクールで見事に金メダルを獲得した実力を持っています。見た目も綺麗で断面はパセリの緑とハムのピンクがとても綺麗に見えます。
味はハムのジューシーさとパセリのゼリーが合いとてもバランスが良かったです。

2件目はシャルキュトリーのお店の隣のパン屋さん『Boulangerie Traiteur Bouillot』です。
週末限定でエスカルゴバター入りのグジェールを作っているそうです。
この日は平日で買えませんでしたが、休日に再チャレンジしたいと思います!

最後に3件目はロワゾ―・デ・ヴィーニュでいただいたパン屋さん『La pétrie』の目の前に観光名所となっている壁画『Mural de la Grande Vadrouille』です。

1966年のフランス映画『la Grande Vadrouille 大進撃』の撮影をしていた様子が描かれています。この映画はフランスで30年に渡り興行第1位の記録持っていた今でも大人気の作品です。

古き良き歴史を感じながら街を散策して、さらに新しい発見があるのではないでしょうか?ボーヌへ行った際にはぜひ足を運んでみてください。

『Loiseau des Vignes』
31 rue Maufoux, 21200 Beaune
℡:03 80 24 12 06
Loiseau des Vignes | Sélection de vins de Bourgogne | Bar à vins à Beaune (bernard-loiseau.com)

『Charcuterie Raillard』
4 rue Monge, 21200 Beaune
℡:03 80 22 23 04

『Boulangerie Traiteur Bouillot』
6 rue Monge, 21200 Beaune
℡:03 80 24 10 38

『Mural de la Grande Vadrouille』
32 rue Rousseau Deslandes, 21200 Beaune