調理外来講習 M. Jacques DECORET (ジャック・デコレ氏)/Maison DECORET(メゾン・デコレ)
本日のレクレール校の外来講習は、毎期レクレール校とエスコフィエ校の両校で講習を行ってくださる、フランス中央部ヴィシー(Vichy)にある1ツ星レストラン「メゾン・デコレ」のオーナーシェフ、ジャック・デコレ氏でした。
デコレ氏のお店は研修先としてレクレール校の研究生を受け入れていただいています。
1996年にフランス最優秀職人章(M.O.F.)を受章されており、1997年にご自身のお店をオープンして今年で20年。
デコレ氏は料理の想像力がとても豊かで知られています。味や風味の引き出し方に独特な技術をお持ちで、料理の盛り付けも繊細です。
一品目rougetルジェ「ヒメジ」を使った料理。
Un filet de rouget servi avec le sabayon de cèpes, ail noir de billom et poireaux brûlés
ルジェを低温でしっとりと焼き皮目は香ばしく炙り、上に鱗をカリッと揚げたものを添えています。
ソースは卵の殻を器に使っています。卵を低温で泡立てながら火を通しセップ茸のパウダーを添えています。
柔らかく火を通したポロネギは表面を少しキャラメリゼして、きゅうりの角切りは食感を残すように軽く火通し、レモンの皮とサラダバーネットというさわやかな香草と和えられています。
オーベルニュ地方で作られている黒ニンニクをスライスして皿に添えています。シェフはソースに使われているセップなどと、黒ニンニクの香りが同じ系統であることから添えているとおっしゃられていました。
また、食材は可能な限り無駄のないように使用することを大切されており、この料理では別の食感を与えるために、ウロコも無駄なく使用していると説明されました。
次に二品目
Coffre de poulet Bourbonnais fumé et croustillant, saveur de cacahuètes, tricorne de navet et jus en gastrique
アサツキで作った乾燥パウダーをきれいに敷き、若鶏は70℃の低温のオーブンでしっとり焼き上げ、その表面にピーナッツ、バター、パン粉を混ぜ合わせ作った生地を乗せ焼き上げています。
ライムの香りをつけたカブのピューレを、パスタ生地の代わりに薄くスライスしたカブでラビオリ仕立てにしています。
赤玉ねぎのピクルスとアサツキを軽くバターで和えたものと、ムースロンというキノコを付け合わせに添えています。
ソースは、ガストリックという砂糖と赤ワイン酢を煮詰めたものに、鶏ガラでとったジュを加えて酸味を効かせたものです。
メインの若鶏は、低温で表面だけ軽くフライパンでサッと焼きます。焼きあがればバットに取り出し、ごく少量の水を加えてラップで密閉し、しっとりと焼き上げるという調理法に研究生は大変驚いていました。
授業の終わりに、研修生が毎日の仕事内容を話してくれました。研修先のレストランにも慣れている様子で、日々の生活など詳しく研究生たちに伝えていました。
最後にシェフを挟んでアシスタントを担当した研究生たちと記念撮影をしました。