製菓外来講習 M. Nicolas BONNARD (二コラ・ボナール氏)
今回、パンの外来講習として二コラ・ボナール氏にお越しいただきました。
ブルゴーニュ地方の製粉会社NICOT社で専属講師を務めた後、2008年に独立し、リヨン5区、旧市街の入り口にあるブーランジュリー「レピエゾンL'Epiaison」のオーナーシェフとなられました。
開店後すぐリヨン市内でも話題のブーランジュリーとなり、平日でも1000本、週末なら1200本ものバゲットが売られていたと言います。同店のオーナーシェフを数年務めた後、現在はフリーでパンの講習や技術指導などに取り組まれています。
ひとつひとつ丁寧に理論立てて説明される授業はわかりやすく、ホワイトボード一面を使って展開される授業は、毎期人気の高い授業のひとつです。
今回作成して頂いたパンは以下の通りです。
バゲット・ドゥ・トラディション・フランセーズ(BAGUETTE DE TRADITION FRANCAISE)
フランスで日常的に食べられる伝統的なバゲット、とてもシンプルな生地であるが故取り扱いが難しく
成形の際に無駄に触りすぎないよう助手の研究生に細かく指導していました。
ドゥーブル・ショコラ(Double Chocolat)
バゲットの生地にココアパウダー、チョコレートを混ぜ込んだ朝食用の甘いパン
パン・ボージョレ(PAIN BEAUJOLAIS)
水の代わりにボージョレーワインを使い練り上げたパン。
中にはリヨンのサラミとノワゼットが入っています。
見た目もワインの紫が映え、成形の際に紐を一緒に入れ込む事により、吊るして飾る事が出来ます。
パン・ムール・ドゥ ピエール・シュル・ルヴァン(PAIN MEULE DE PIERRE SUR LEVAIN)
石うすで挽いた粉を使用したハード系のパン。長時間発酵を行っているため、小麦の香り、うまみをしっかり感じることができます。
パン・アロマティック(PAINS AROMATIQUES)
プロヴァンス地方のミックスハーブの香りが効いたプティパン。焼いたベーコンとシェーブル(山羊のチーズ)、乾燥トマトとオリーブの2種類を作って頂きました。
セーグル・オーベルニャ(SEIGLE AUVERGNAT)
グルテンを含まないライ麦粉(セーグル)で作られたパン。
小麦粉とは異なる独特な香り、酸味などが特徴です。
ボナール氏の講習はとても分かりやすく、ホワイトボードをいっぱいに使いパンの工程の説明を行います。
生地の発酵や、休ませるタイミングや意味などを詳しく説明されていました。
他にもフランス全土で作られているパンの種類や成形の仕方など、地図を交えて紹介されました。
今回の講習は数多くの製品を作る内容でもあり、生地の分割や成形など助手に携わった研究生以外の学生もパン作りに携わることが出来ました。
ボナール氏のパン成形のテクニック、スピードに研究生達も圧倒していました。
今回助手を努めた研究生のコメント
「今回の講習は驚きの連続でした。まず一番初めに、製菓で使うフランス語と製パンで使うフランス語が大きく異なっていたということです。
まだまだ自分の知らない単語や表現が多い事に気づきました。
次に驚いたことはボナール氏の作業の正確さと手早さです。生地の分割が一回で常に同じ重さに量り、ものの数秒でパンの成形を終わらせるなど、驚きの速さでした。
今回の講習でパン作りの難しさと楽しさに改めて気づけました。
とてもいい経験になりました。」
「今回はパンの講習でしたが、僕は日本ではパンを作ったことがなくフランスに来てからパン作りを学びました。今回生地の成形から発酵、焼成に至るまでより高いレベルの技術知識を見る事ができとても満足できました。
とても優しく、そして的確に生地の扱い方の指導をしていただけました。」
作成した製品を囲み、全員で記念撮影。
Merci, Monsieur. Nicolas BONNARD