調理外来講習 M. Stéphane CARBONE(ステファーヌ・カルボンヌ)氏/RESTAURANT INCOGNITO(レストラン・アンコニート)
今回のエスコフィエ校調理外来講習は、ノルマンディ地方のカーンから一つ星レストラン「アンコニート」のステファーヌ・カルボンヌシェフに来て頂きました。
カルボンヌシェフは、カンヌの高級ホテル「ホテル・マジェスティック」で、ブルノ・オジェ氏の下で副料理長を務め、その後3つ星レストランのジョルジュ・ブランでシェフを務めた経歴を持っています。
2003年にノルマンディ地方でレストランを開業し、翌年に1つ星を獲得しました。2006年に現在の場所に移転開業するも、また翌年に1つ星を獲得するなどセンスと料理技術に定評があります。
輝かしい経歴はこれだけではなく、2009年のフランスのサルコジ大統領(当時)とアメリカのオバマ大統領の会談での食事のシェフを務め、2014年の約20ヵ国の大統領が集う晩餐会でもシェフとして腕をふるっています。
このレストランはエスコフィエ校の研修先のレストランの一つです。今回はかなり遠いこともあって研修生は同行できませんでしたが、いつも頑張っているとお褒めの言葉を頂きました。
地元ノルマンディの食材を使った、食べておいしく、見た目にもきれいな料理は、今後ムニュスペショーのために料理を考える学生にとって良い刺激になったと思います。
☆今回披露いただいた料理3品
この3品は2014年の大統領が集う晩餐会で提供された料理とデザートです。
Cube de fromage frais au Camembert AOP de Normandie
アミューズ・ブーシュの一品です。
地元ノルマンディのカマンベールチーズを溶かした中にフィラデルフィアチーズを混ぜ合わせ、ゼラチンを加えて冷やし固めた物をキューブ状にカットして、ケシの身やゴマを表面にはり付けた料理です。
Ballottine de maquereau au thym citron velouté petits pois à la menthe et Neufchâtel AOP de Normandie
前菜の一品です。
サバのフィレは2枚合わせてラップフィルムで巻き、バロティーヌという状態にして火を通しています。
冷製料理なので火が入ったサバは氷水で冷やします。
グリンピースは塩湯がきした物をヌフシャテルというチーズと生クリームを合わせてミキサーで滑らかなヴルーテ状にします。この時、グリンピースと相性の良いミントの葉を加えています。
La pomme tatin de Normandie Biscuit Normand, copeaux et pomme cuite au four
デザートの一品です。
イーストの入ったタルト生地を焼き上げ、そこに生クリームの泡立てたものを絞ります。
その生クリームに薄くスライスしたリンゴを飾ります。
カルボンヌシェフを囲んで、アシスタントを務めてくれた研究生の井尾 泰斗君(左側)と根岸 幸平君(右側)
アシスタントの2人はカルボンヌシェフの話すフランス語を聞き取りながら的確にアシスタントを務めてくれました。