FRANCE

辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Stéphane CARBONE(ステファーヌ・カルボーヌ)氏/RESTAURANT INCOGNITO(レストラン・アンコニート)

フランス校教壇から

2019.06.24

今回のエスコフィエ校調理外来講習は、ノルマンディ地方のカーンから一つ星レストラン「アンコニート」のステファーヌ・カルボーヌシェフに来て頂きました。

カルボーヌシェフは、カンヌの高級ホテル「ホテル・マジェスティック」で、ブルノ・オジェ氏の下で副料理長を務め、その後3つ星レストランのジョルジュ・ブランでシェフを務めていました。
2003年にノルマンディ地方でレストランを開業し、翌年すぐにミシュランガイドの1つ星を獲得しました。
2006年に現在の場所に移転開業するも、また翌年に1つ星を獲得するなどセンスと料理技術に定評があります。
輝かしい経歴はこれだけではなく、2009年のフランスのサルコジ大統領(当時)とアメリカのオバマ大統領の首脳会談後の食事のシェフを務めたり、2014年のG20の晩餐会でもシェフとして腕を振るわれています。

披露いただいた料理2品

Pâte à ravioles « fait maison »
ラヴィオリです。
香草やほうれん草のピューレを使い、緑色の生地をつくり薄いシートにします。山羊のチーズと茹でたほうれん草、松の実で詰め物をつくり、四角に切り出した生地で包み込みます。鶏のブイヨンにセージの葉を加え、旨みと香りのあるブイヨンでラヴィオリを茹でます。ソースはヘーゼルナッツのプードルを牛乳に加え、香りを付けた泡状のものです。
シンプルで軽い仕上がりです。今回は、山羊のチーズとほうれん草ですが、詰め物を変えればバリエーションも増えます。ソースもトリュフ・オイルなどのキノコ風味や香辛料を使っても、幅が広がります。

Tartare Magret de canard mi- cuit, espuma patate douce à l'anis étoilé chiffonnade d'asperges vertes
フランスでは、牛肉を使ったタルタル(生の状態のもの)をよく食べますが、そのタルタルをイメージして鴨の胸肉で提供します。細かく切った鴨胸肉にエシャロット、塩、黒こしょう、シナモン、はちみつでマリネします。型に詰めて表面だけフライパンでしっかりと焼き色を付け(中は生の状態)生肉と焼いた肉の香ばしさが口の中で混ざり合うことになります。
ソースは八角の香りを付けて茹でた、さつまいもをピューレにしてサイフォンでガスを注入し、軽い仕上がりにしています。タルタルのアクセントとしてアスパラガスを生の状態で薄くシフォナードに削り、ヴィネグレットで和えて添えます。

研究生からの質問にしっかりと答えてくれます。シェフの料理に対する情熱や調理場では常にモチベーションをしっかり保ち続けることの大切さや、難しさ。フランスでいろいろなシェフを見て、聞いて、研修先では経験することがすべて大事である。と真剣なまなざしで。

最後はシェフと一緒に。助手を務めてくれた研究生です。