FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

製菓外来講習 M.Cédric PERRET(セドリック・ペレ氏) / Le Clair de la Plume(ル・クレール・ドゥ・ラ・プリュム)

フランス校教壇から

2025.03.17

今期最後の製菓外来講習にお越しいただいたのは、フランス校から南に200㎞ほど下ったGrignan(グリニャン)という街にあるホテルレストランLe Clair de la Plume(ル・クレール・ドゥ・ラ・プリュム)でシェフパティシエをされているM.Cédric PERRET(セドリック・ペレ)です。初夏からラヴェンダーが咲き誇る南仏の美しい街で、その時期は特ににぎやかになるレストランの1つです。ペレ氏はミシュランガイドとヴァローナ社による「デセール・パッション」という賞を2021年に受賞されています。この賞は、シェフと同じようにパティシエ、ソムリエ、シェフ・ド・ランにスポットライトを当てられ与えられる、2019年からのものです。

ちなみにペレ氏は毎期講習に来ていただいています。
前回のブログはこちらです↓
製菓外来講習 M. Cédric PERRET(セドリック・ペレ氏)/ Restaurant Le Clair de la Plume

今回はなんとトリュフを使ったアシェット・デセールを作っていただきます。
皆さんはトリュフを採取する方法を知っていますか?まずトリュフは特定の木の根付近、土中に形成されます。それを豚や犬の嗅覚を頼りに探していくのが西洋では主流だそうです!日本では熊手で探すそうです。

水分が付着すると香りが飛んだり、腐りやすくなるため、生米と共に冷蔵庫で保存するのが最適です。製菓ではあまり使わない材料の為、ペレ氏の説明に研究生も興味津々です!トリュフの香りを生かすために組み合わる材料はシンプルに、また乳製品とあわせるとより引き立たせることが出来ます。

このデセールは洋なしと組み合わせています。フレッシュの洋なしをバニラと一緒に炊いていきます。



テュイルにも洋なしのピューレが入っており、チョコレートを塗って接着していきます。


重ねたテュイルをフランス校にある器具やカップを使用して形にしていきます。その場にあるもので臨機応変な対応をしてくださる姿は、まさにペレ氏の真骨頂ですね!


ブリオッシュを澄ましバターでカリカリに揚げ焼きしていきます。揚げ終わりは全面ではなくなぜか3面だけ・・・。研究生も全面じゃないの?とざわざわ。どう使うかは仕上げのお楽しみです!


いよいよ盛り付けです。
トリュフ入りのエスプーマ(液体を泡状やムース状にするもの)を絞り、トリュフをそのまま削っていきます。デセールにこんなにもトリュフを使うのかと研究生も驚きが隠せません。


同じパーツを使用して、3パターンの仕上げを見せていただきました。
構成はぱりぱりとした洋なしのテュイル(フランス語で瓦を指し、クッキーを薄く焼いたもの)、ミルクチョコレートが入ったガナッシュクリーム、バニラと炊いた洋なしのコンポート(シロップで煮たもの)、角切りトリュフ、洋なしのソルベ、トリュフクリームのエスプーマ、削ったトリュフ、ソースキャラメルです。

ブリオッシュは中をくり抜きトリュフとマスカルポーネのクリームを絞って仕上げています。そのため3面しか焼いていなかったんですね!普段料理で使用する材料をお菓子に取り入れる。研究生にとってお菓子の可能性の幅を広げる素敵な講習になりました!


【研究生からコメント】
「レストランパティシエのシェフが手掛けるアシェット・デセールの作業に携わることが出来、とても貴重な経験でした。現在、実習でもアシェット・デセールを行っているため、シェフの効率的な動きや臨機応変な対応、独自の仕上げ方など、多くの学びがありました。特にトリュフを使用したデセールは初めての組み合わせで、どのように仕上げるのか興味津々でした。パーツを一つ一つ作りながらトリュフの活かし方やポワールとの組み合わせがどんな味わいになるのか、ワクワクしながらアシスタントを務めました。完成したデセールは、トリュフの香りとポワールの相性が抜群で、新しい発見がたくさんありました。」
「私たちも3セリでアシェット・デセールをしていますが、現場で組むスピード感や、ブリオッシュを器のように使用するなど、新しいことを多く学べました。トリュフをクリームや飾りなど、ふんだんに使っているがバランスがとれており、初めての味わいでした。同じパーツでも違う組み方をすると味わい方も変わって面白かったです。レストランならではの組み立てで、料理に出てくる食材をデセールに使用する名でを間近で見る事が出来て勉強になりました。」


Merci!M.PERRET!!