FRANCE

辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Fabrice DESVIGNES (ファブリス・デヴィーニュ氏)/Sénat(セナ)

フランス校教壇から

2018.08.30

今日の講師は、2007年のボキューズ・ドールBocuse d'Or(フランス料理の世界大会)にフランス代表と出場し、見事優勝を果たしたファブリス・デヴィーニュ氏です。現在はセナSénatの調理場で腕を振るっています。
Sénatとはフランスの上院である元老院のことで、院内にあるダイニングでキュイジニエとして活躍しています。2015年にM.O.F.を受賞しており、ボキューズ・ドールとM.O.F.の2つの称号を持つフランスでも数少ない料理人の1人です。

今回はラングスティーヌと子羊を使った2品を紹介していただきました。

Langoustines royales rôties piment d'Espelette. Riz vénéré au jambon bellotta.
ラングスティーヌの殻でソースを作り、それを使って黒米をリゾットにします。ラングスティーヌの尾は殻付きのままエスプレット唐辛子で風味付けしローストに。付け合わせとして、ハモン・ベジョータ(スペイン産の生ハム)、トマトのコンフィ、ジロール茸、パルメザン、バジリコのフライを添えています。
ラングスティーヌのソースの作り方も丁寧に説明して下さり、普段の自分たちが作っているものとの違いを研究生たちも興味深く聞いていました。シンプルですが海老の旨味が凝縮していてストレートに美味しさが使わってくる1品です。

Canon d'agneau en camaïeu de vert
子羊のロース肉の周りを、パセリ、にんにく、エシャロット、子羊肉で作ったファルスで覆い、網脂で包んでロゼに焼き上げます。子羊の骨やくず肉を使ってジュを作り、フィレ肉と緑の野菜、クルジェット・ヴィロンというズッキーニのピュレ、クレソンを添えています。お皿全体が緑で統一されていて、子羊肉のロゼが一層引き立ちます。見た目にも鮮やかな夏らしい仕上がりです。

世界チャンピオンで最優秀技術者。これ以上ないほどの称号を持ちながらも、熱心に料理を説明して下さり。何よりも純粋に料理を楽しんで作っている姿が印象的でした。研究生も「早く思い通りに料理が作れるようになって、楽しみながら料理したい」と思っていたようです。今期最後の外来講習でしたが、良い刺激を受けられ印象深いものとなったようです。

本日のアシスタントは研究生の兼松啓太君(右)、根岸幸平君(左)でした。