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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Florian PANSIN(フロリアン・パンサン氏)/Maison TROISGROS(メゾン・トロワグロ)

フランス校教壇から

2018.06.19

今回の外来講習はレストランMaison TROISGROS(メゾン・トロワグロ)のスーシェフ、M.Florian PANSIN(フロリアン・パンサン氏)、レクレール校フランス料理研究課程で現在研修中の槙 紫音さんにお越しいただきました。

レストランのあるロアンヌは、レクレール校から車で1時間ほど行ったところにあります。
オーナーでエグゼクティブシェフのミッシェル・トロワグロ氏が3つ星を50年維持している名店で、パンサン氏は9年間在籍し、ミッシェル氏の息子、セザール・トロワグロ氏と共にスーシェフとしてお店を切り盛りしています。

今回は料理を3品披露していただきました。


1品目は「Escargot et chou au curry toasté(エスカルゴと焼いたキャベツのカレー風味)」です。
昔からある伝統的な料理を、メキシコでの旅の記憶をイメージし再構築した料理。
さっと塩茹でしたキャベツを鉄板に乗せ、凝縮した魚の出し汁にコーンスターチを加えたものを流しいれ、周囲を香ばしく焼きます。
お皿にバターで炒めた大根の千切りとエスカルゴ、オレンジ風味のカレーマスタード、パクチーをアクセントとして加えます。



2品目は「 Croustillant de maïs et petits pois (グリンピースととうもろこしのタルト)」。
これは普段から槙さんが担当している料理で、在校生に作り方の説明をしてくれました。

とうもろこしの粉に水を加え、火を通しお粥状にし、1mmの厚さに伸ばしたシートを6㎝の丸型で抜いて、2日間ほど乾燥させます。
それを180℃の油で揚げ、半球型で挟み、タルトにします。
燻製にしたスカンポのピュレを底に敷きこみ、塩で漬け込んだレモン、塩茹でにし薄皮を剥いたグリンピースを乗せ、お店の庭園で採れた香草をヘーゼルナッツ油で調味し、華やかに盛り付けられています。
この料理は学生の人数分作成し、ふるまってくださいました。

3品目は「Langoustine à la lie de saké(ヨーロッパアカザエビの酒粕風味)」
レストランのほど近く、サンテティエンヌの酒蔵に見学に行った折、酒粕の説明を聞き、
譲り受けて創造した組み合わせ。
パンサン氏は、酒粕の香りの中にマスタードのようなニュアンスを感じたのでマヨネーズのようにされていました。相性の良いみりん、酒、アクセントに米酢、醤油やショウガを薬味に使っています。
ヨーロッパアカザエビは殻を半分剥き、フライパンで香ばしく焼いています。
エビの頭でとったソースを煮詰め、ライムジュース、ヘーゼルナッツ油を混ぜたドレッシングをかけて完成。

パンサン氏は伝統的なフランス料理の食材だけではなく、幅広く世界の材料に興味を持っていらっしゃいます。酒粕は酒蔵で捨てるだけのもの等、昨今のフードロス問題などの世界の風潮を理解し、自らが働いているレストランの客層に向け、料理にテーマ・ストーリーを持たせているのだと感じました。



講習後には槙さんが現在の研修先の話をしてくださいました。
中でも「自分のモチベーションを保つ方法を見つける事が大切。調理場での仕事は楽しいことばかりではない、だからこそテンションを上げていかなければいけない。」と話していたのが印象的でした。
学生も半年後の自分を想像し、食い入るように話を聞いていました。

講習のアシスタントを務めたのは、左から、坂井 健太さん、槙 紫音さん、等々力 竜輝さん。