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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Hervé RAPHANEL(エルヴェ・ラファネル)氏/Restaurant Le Belooga(ル・ベルーガ)

フランス校教壇から

2016.05.31

今回調理外来講習に来て頂いたのは、レクレール校の近くにあるボジョレーの中心都市Villefranche-sur-Saône(ヴィルフランシュ・スュル・ソーヌ)に2012年にオープンしたホテルICI&LA(イシ・エ・ラ)内のレストランLe Belooga(ル・ベルーガ)からHervé RAPHANEL(エルヴェ・ラファネル)シェフに来て頂きました。
Le Belooga(ル・ベルーガ)は2つ星レストラン「ギィ・ラソゼ」のブラスリとしてオープンし、ミシュランにも2014年版から取り上げられています。
ラファネル氏は、リヨンの1つ星Pierre Orsi(ピエール・オルシ)などを経て、ポール・ボキューズのブラッスリーのシェフやリヨンにあるボキューズ氏の料理学校l'Institut Paul Bocuse(ランスティテュ・ポール・ボキューズ)で指導をしていた経歴を持っています。ギィ・ラソゼ氏とは、1988年に出会って以来の親友でもあります。


今回の講習中ラファネル氏は、たびたび食材を知ることの重要性を言われていました。
「同じ製品でも、産地、製法などで味が違う。」
「レストランのメニューは私が決めるのではなく、その日の食材がメニューを決めている」
「今の時代、電話だけで食材を配達してくれる。そうではなく、お店に買いに行き、生産者と話し、どの食材が旬で、今何が美味しいのかなどを話すことが重要だ」
その他にも経営者としての目線を持つことなど、料理を作ることだけではなく、料理人としての大切なポイントをたくさん話していただきました。

☆今回披露いただいた2品

SOLE ET HOMARD FACON THERMIDOR, GNOCCHIS AU JUS

オマールのすべてを使った一品です。
生きたオマールは4分間湯で、身と殻に分けます。
殻からはソースを作ります。
爪や腕の身は角切りして魚のムースなどの具材にし、尾はオリーブ油で温めます。
内臓はバターなどと練り込んでシート状に伸ばします。
舌平目の上身に、オマールのコライユを加えて風味をつけたバター入りの魚のムースを絞り、互い違いになるように舌平目を重ね、ラップフィルムで巻き、83℃のスチームで火を通します。
この舌平目に、煮詰めたソースをかけ、その上にシート状のコライユ入りバターを置き、サラマンドルで焼いて、香りと色をつけます。
じゃがいもで作ったニョッキ生地に、クレソンのピュレ、ビーツのピュレをそれぞれ加え、3色のニョッキに仕立てます。
火を通した後は、生クリームを加えたソースで和えます。


今回ラファネル氏と一緒に来られたバスチャン氏の作業を見つめる、宮本さんと福永君


CUISSES DE GRENOUILLES POELEES EN PERSILLADE,
POLENTA RELEVEE A LA PUREE DE CRESSON

地域の産物であるグルヌイユを、伝統的な調理法(バター、にんにく、パセリ)で火を通し、森をイメージしたクレソンのピュレ入りポレンタを添えた一品です。
イタリア産のオーガニックで作られた、石臼引きの細かいポレンタを使用し、滑らかに炊き上げます。
ここに2種類のクレソンを加えます。ピュレは色づけの為に加え、茹でて刻んだクレソンは、フレッシュ感を出すために加えます。
カエルのもも肉は骨を出します(ジャンボネット)。
小麦粉をつけ、油で焼き固め、バターでムニエルにします
仕上げに、にんにくのみじん切きとパセリのみじん切きを加えて仕上げます。
背骨、掃除したくずの身からソースを作ります。
このソースにクレソンのピュレを加えて色を付け、シュクロといわれる気泡を安定させる薬剤を加えてきめ細かな泡を作り添えます。
酸味のためにトマトのコンフィを添え、紫蘇の葉を飾ります。

シェフを囲んで、助手を務めた福永 智君(左)と宮本 すずさん(右)