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辻調グループ フランス校

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【調理外来講習】M.Jacques MARCON(ジャック・マルコン氏) / Maisons MARCON (メゾン・マルコン)

フランス校教壇から

2025.02.14

今日の外来講習は「Maisons Marcon メゾン・マルコン」からジャック・マルコン氏にお越しいただきました。

リヨンから車で1時間半ほど離れたSaint-Bonnet-le-froid (サン・ボネ・ル・フロワ)という村の山頂エリアにオーベルジュがあります。そこには三ッ星レストランとビストロ、パティスリー、バーがあり、家族で経営をされています。

今回講習に来ていただいたジャック氏は、現在同店の統括シェフとしてレストランを運営されています。ジャック氏はレクレール校で数か月間の研修経験があるのでナレ先生は師匠でもあり、現在の研修生の先輩でもあります。その後スイスの名店ジラルデを始め地方のグランメゾンで経験を積みました。先日行われた2023年ボキューズ・ドール・フランス料理コンクールのフランス代表の試食審査員も務められ、幅広く活躍されているシェフです。
ジャック氏の父のレジス氏は、1995年ボキューズ・ドールの優勝者で、現在もジャック氏と一緒に調理場に立っています。きのこを使ったさまざまな料理を生み出すことから「きのこの魔術師」とも呼ばれ、その他にもレンズ豆、土地の香草や食材を活かし、地産地消で独自の料理を作られています。
山頂にあるレストランの店内は一面のガラス窓で、そこから見える景色には壮大な自然が映し出されます。お店のシンボルでもあるセップ茸やレストランの周り一帯で自然に育てられる香草など自然を満喫しながら味わえる料理と演出が魅力的なレストランです。

今回は2品作成していただきました。

Langoustine, sucrine et sauce à l'aspérule odorante

ラングスティーヌという手長エビを使った温かい料理です。
パン粉を纏わせて天ぷらのように揚げるのですが、軽く仕上げるために少しだけ泡立てた卵白を使用しています。

つけ合わせはロール状に成型したシュー・ファルシです。淡水魚のオンブルをムースにして、ラングスティーヌの腕の身、角切りのにんじん、香草、オマール海老のジュなどを加え、茹でたキャベツで巻きます。
ラングスティーヌの殻から作るソースは、生姜やレモングラスの香りを付けており、濃厚でありながらさっぱりとした印象に仕上がっています。
季節のきのことしてシャントレル(ミキイロウスタケ)のソテーを添えて、様々な食感と、ラングスティーヌの香りが広がる一品となりました。

Feuilleton de veau farci aux trompettes de la mort

子牛を使った肉料理です。
フィレ肉を使用し、横に2層の切り込みを入れます。各層にシャンピニョンのデュクセル、トマトコンフィ、トランペット茸のソテー、タプナード、スライスしたコンテチーズを挟み込みます。
最後に網脂で巻いて綺麗な形に成型します。

表面に焼き色を付ける様に焼いた後、オーブンでしっとりと仕上がるように中まで火を入れていきます。110℃と比較的低い温度のオーブンで焼き上げているので、断面がしっとりとした焼き上がりになりました。淡白な味わいの子牛肉にトマトやチーズのうま味がプラスされた一品になりました。

火通し温度のテクニックや考え方を、白板を使用しながらわかりやすく解説して頂きました。

毎期、研修生のスタージュ先にもなっているレストランなので、今回のシェフの講習を聞いて、スタージュ先の候補として希望する学生も多くいる事と思います。

最後にアシスタントを務めた研究生と記念撮影を行いました!