戸坂 守くん:調理2017年春コース
「きっかけは兄、背中を押してくれたのは母」
小さい頃から手伝いなどで料理をしていました。
作ったものを兄に食べてもらい、「塩が足りない」とか「油っこい」などの批評をありがたくもらい(不服ながら)、たまに「美味い!」の一言が出ると妙に嬉しく、それがきっかけで、将来お客さんが気軽に食べて楽しんでもらえるようなお店を作りたいと思うようになりました。
今でもその夢は変わりません!
フランス校に至るまでの流れもとてもシンプルで、大学進学と悩んでいた時に、母に「好きなことをやりなさい。やるならとことんやりな。」と言ってもらい、やれるとこまでやってみよう!と、フランス校進学を決めました。
「フランスの田舎暮らしを楽しんでいます」
フランスに来て驚いたことは、何と言っても日照時間が圧倒的に長い!ということです。
フランスに着いた4月初旬でさえ、夜19時を過ぎても昼過ぎかと思えるような明るさでした。
感動したことと困ったことは表裏一体という感じで、学校周辺の自然豊かな雰囲気に感動を覚えるとともに、バスが2時間に1本しかない、日曜日には店が閉まるなどの不便さに困り、最初はわずかに怒りさえ覚えました。そうならないためにも食料や情報を備えておくこと、ゆったりとした時間の流れを愛する心を持つことをオススメします!
休日に学校の広い庭を眺めながら木陰のベンチに座り、冷えたビールを飲む経験は日本ではなかなかできることではないと考えると、とても幸せですね。(ほっこり笑顔)
※フランスでは18歳からお酒を飲むことが出来ます。
「実習で時間の使い方を学んだ」
実習の回数を重ねるごとに仕上げる皿の数が増え、時間も短くなることで、先のことを考え逆算し、必要なこと、不必要なことが何なのかを判断できるようになったと感じます。
また、"この料理を作るうえで本当に大切なことは何か""なぜこの形なのか"などがなんとなく自分なりに見えてきているようにも思えます。
料理を作るうえでのポイントとなる部分はずれることなく、むしろ明確になっている気さえします。
もし自分がこの料理を1人でお客さんに提供するとしたときに、どうやったら自分なりの合理性をもってより美味しく仕上げることが出来るかを日々少しずつですが、考える力が身についてきていると確信しています。
シェフのナレ先生ともしっかりコミュニケーションをとっています!
「寮での暮らし」
実家を出て長期間の生活をしたことがありませんでしたが、これといって困ることはありません。
洗濯は若干の取り合いになるシーンはありますが、基本的に自分のペースで洗うことができます。
なにより乾燥機という存在がとてつもなく大きく、研修が心配になってくるほどです。
お風呂については、水質が髪に合わないことや湯船に浸かれないことなど、日本の暮らしのようにはいかないこともありますが、問題なくゆっくり入ることができます。
寝る時も外へ出掛ける時も、もちろん授業や実習の時間も誰かと一緒なので、自然とみんなとの距離が近くなり、協力し合って楽しく暮らしています。
「ヴァカンスでヨーロッパの食と文化を学んだ」
ヴァカンスでは、フランスの各地を巡る計画も考えましたが、ヨーロッパの他の文化や観光地、また日本で教わった知識が本当か確かめるためにスペインやイタリアに行きました。
スペインではパエリアやアヒージョなどの名物を食べ、観光名所を回りました。
イタリアでは、学校で学んだパスタを思い出しながら、アルデンテや麺の太さなどに注目し、店によってのこだわりやフランスのパスタとの差を感じることができました。
盛り付けや素材の提供の仕方などをムニュ・スペシオの参考にすることができたのも収穫でした。
「食べ歩きもたくさん行っています」
学校の食べ歩き企画では「レジス・エ・ジャク・マルコンRégis et Jacques Marcon」に行きました。
3つ星の格を実感させられるサービス、盛り付けの多さと品数の多さに驚かされる料理、帰りのバスはしばらく放心状態に見まわれました。
個人的に行った「ポール・ボキューズPaul Bocuse」では、伝統的なフランス料理、クラシックとは何ぞやという真髄が大いに伝わってきました。
それから、まさかの妙な緊張感と高揚感のせいか、上着をレストランに忘れてくるという失態をしてしまった「レ・クレイエールLES CRAYERES」では、テラスと店内を食事中に移動して、様々な気分を味わうことができ、営業中の厨房内の様子も見学させていただきました。
「研修への意気込み」
研修先は「レストラン・セルジュ・ヴィエラRESTAURANT SERGE VIEIRA」に決まりました!
先輩たちのアンケートを確認した限りでは、従業員や研修生の出身国が様々で、フランス語、英語、それからポルトガル語が飛び交うようなので、仕事についていけるかという悩みのうえに、さらに会話に適応できるかという悩みがふつふつと浮かんできています。
とはいえ、まずは誠意をもって仕事に取組み、積極的なコミュニケーションを心掛け、良いものをより多く手に入れて、胸を張って帰国したいと思います!
「フランス校進学を考えている皆さんへ」
実習での動きは数をこなすことで、きっとより良くなっていくはずなので、過度な心配はいりません。
なにより皆さんが不安になっているであろうと思うのが、フランス語という言葉の壁ですが、難しく考える必要はありません。
話していくうちによく使えるワンフレーズ等を覚えていくことは間違いないので、あまり気負わず、今のうちにできることを自分なりに始めてみてください。
戸坂守 TOSAKA Mamoru
2017年春コース レクレール校 フランス料理研究課程
出身高校 日本大学 櫻丘高等学校(東京都)
辻調グループ出身校 エコール 辻 東京 フランス・イタリア料理マスターカレッジ