季節のディスプレイ
辻製菓専門学校の玄関を入ると、小さなガラス張りのスペースがあり、季節ごとに飾り付けがされています。
ロビーにはお菓子屋さんと同じショーケースが置かれ、授業で作ったお菓子がかわいいラッピングで並びます。
お菓子で1年を見てみましょう。
お正月のディスプレイにはお菓子は並んでいませんが、和の水引細工で表現しています。
新年のお菓子といえばガレット・デ・ロワ、新学期の初実習でひとり1台焼きあげます。
2月はヴァレンタイン、チョコレートで作った干支の動物が並びました。
和菓子の練切にもハートをつけて、ヴァレンタイン仕様です。
パンはヴァレンタインをブレッツェルで表現、ハート形はパン屋さんの印です。
春を告げるイースターはフランス語で「パック」と言います。
復活のシンボルである卵と、パステルカラーのアイシングクッキーで仕上げています。
エイプリルフールはフランス語で「ポワソン・ダブリル(4月の魚)」、お魚の形のパイを作ってみました。
5月には母の日、焼き菓子もこうしてラッピングするだけでグンとかわいくなります。
6月は水無月、和菓子は季節の行事と深いつながりがあり、その歴史も勉強します。
夏には涼しげな和菓子が並びました。
焼き菓子のラッピングは、お中元や帰省みやげをイメージしています。
七夕には笹を立てて、みんなで願い事をつるします。このあと笹が短冊だらけに。
かぼちゃとオバケのディスプレイはハロウィーン、学校中がオレンジ色になります。
1年の締めくくりはクリスマス、フランス語では「ノエル」、ドイツ語では「ヴァイナッハテン」と言います。
ドイツの焼き菓子、レープクーヘンでお家を建てました。
イタリアのパン、パネトーネもクリスマスのラッピングで並びます。
お菓子屋さんでは、おいしそうなお菓子が並んでいることはもちろんですが、
季節やイベントに合わせた装飾、かわいいラッピングも大切な仕事です。
ちょっと季節を先取りしたディスプレイが、お菓子のアピールにつながるのです。
お菓子にまつわる物語や歴史も伝えていきたいですね。
~プロフィール~
辻製菓専門学校 洋菓子担当
堀田朗子(ほったあきこ)
洋菓子を教えて40年!
フランス校に進学する学生に
フランス語の授業もしています