OSAKA

辻製菓専門学校

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2024年4月より辻製菓専門学校は辻調理師専門学校と
統合しました。

こんなお菓子を作りました。

洋菓子
製菓技術マネジメント学科

2024.03.01

今年度もたくさんのお菓子を実習したり、デモンストレーションしたりで、
あっという間に終わってしまいました。
卒業する人、進級する人、それぞれに有意義な春休みを過ごしていることでしょう。

ここでちょっと2023年度を先生の目線から振り返ってみました。
2年生の高度製菓理論を担当しているので、かなり専門的になりますが、授業で作ったお菓子をご紹介します。
どの回にもテーマがあり、お菓子の作り方だけでなく、周辺の情報もたくさん授業に取り入れました。


まずは「折り込みパイ生地の応用」です。
ミルフイユや、ガレット・デ・ロワなど、折り込みパイ生地を使ったお菓子は基礎で習っているので、
もう少し複雑な上級編のお菓子2品を担当しました。


ピュイ・ダムール(Puit d'Amour)は、ノルマンディーのデュポンさんのスペシャリテです。
研修中、毎日作っていた思い入れのあるお菓子で、久しぶりに授業で作るので気合が入りました。
小さいタルト状に作るのが定番ですが、デュポンさんで作っていた大きいものも作ってみました。


コンヴェルサシオン(Conversation)は、パイ生地と中身のアーモンドクリームと
表面のグラスロワイヤルの組み合わせが絶妙で、食べたときの口の中が楽しいお菓子です。
オーブンの中で立ちあがってくる様子が美しくてワクワクします。


授業の板書もお見せしましょう。
生地のことは以前の授業で解説済みなので、
ピュイ・ダムールで使うダブルクリームを説明するために、乳製品の製法を図解しました。
英語とフランス語(と日本語)が入り混じっています。
作るお菓子は決まっていても、話がどこに向かうかは先生によって違います。
なるべく興味を引く話題を心がけています。


6月の授業ではトレハロースという特殊な甘味料を使ったお菓子を紹介しました。
トレハロースには普通の砂糖にはない機能があって、
例えばギモーヴ(Guimauve)=マシュマロ(Marshmallow)に使うとやわらかい食感が長持ちします。


他にも、パウンドケーキのおいしさを長持ちさせたり、砂糖に比べて甘さが少ないので
砂糖の特性を保ちながら甘味をおさえることができたり、
冷凍ムースを解凍しても離水しにくくすることができます。
お菓子の素材や製造法は進化しているので、日々勉強です。


フランスの伝統的なお菓子を、地方ごとに取りあげる授業では「北西部」を担当しました。
フランスの北のほう(ノルマンディーやブルターニュ)は
りんごや洋なしの産地であり、また乳製品がおいしい地方です。


地方菓子は焼くだけの素朴なものが多く、作り方もそれほど難しいことはありません。
写真を撮るときも地味になりがちなので、いっしょに並べるものを工夫します。


乳製品のおいしさからエシレバターの話になり、A.O.C. とA.O.P.の違いを解説し、
ノルマンディーの3大チーズや、りんごのお酒のことまで話題が広がりました。


最後にまた地方菓子の授業、フランス校のあるローヌ=アルプ地方を担当しました。
少し前にフランス校から出張で来ていた同僚からのお土産で、
リヨンの銘菓「プラリネ・ルージュ(Praliné rouge)」をもらっていたのが、タイムリーでした。


ローヌはリヨンを流れる川の名前、アルプはアルプス山脈のこと、
つまりこの地方はリヨンのお菓子とアルプスの山のお菓子です。


これも焼きっぱなしのお菓子ばかりで時間があるので、
お菓子の由来から歴史、地図を描いてフランス周辺の国とのかかわり、
冬から春の行事であるカーニバルと復活祭の関係などを板書しながら話しました。
今、学校では来年度に向けての準備が始まっています。次はどんなお菓子が作れるかと楽しみです。

~プロフィール~
辻製菓専門学校 洋菓子担当
堀田朗子(ほったあきこ)

洋菓子を教えて40年!
フランス校に進学する学生に
フランス語の授業もしています。

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2024年4月、辻製菓専門学校は辻調理師専門学校として生まれ変わります。
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