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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
これ、食べたことありますか?
 各地のデパートなどで行われる「イタリア展」や「イタリアン・フェア」と銘打った催しが賑わい出したのはいつ頃からでしょうか。パスタ、チーズ、ワイン、缶詰や瓶詰など、会場にはイタリアの食材が所狭しと並び、その品揃えはとても充実しています。でもイタリアのおいしい食べものはこれだけではありません! 今回は「ほとんどの日本人がまだ食べたことがないだろう」というとっておきをご紹介しましょう。

小林(以下K): はぁーい、チャオねーっ! 小林でーす!

野上(以下N): ブォンジョールノー! 野上でーす!

コラム「イタリア研修中の賄い料理」でのテンションは下がることなく、相変わらずのこの二人・・・

K : 今日のテーマは「これ、食べたことありますか?」ですねぇー。イタリアの食材も最近では近所のスーパーでも見かけるようになりました。

N : オリーブ油なんか今や「一家に一本」はあるでしょうな。

K : それどころか、エクストラバージン・オリーブ油とピュア・オリーブ油のニ本揃えてる家庭も少なくはないやろねーっ。デパートなんかじゃ一本何千円もするようなのも売ってるし。

N : とにかく最近の日本におけるイタリア食材の充実ぶりはものすごい!

生ハム(右がパルマ産、左がサン・ダニエーレ産K : 特にがサルーミ(畜肉加工品)ねーっ。イタリアは必ずと言っていいほど地方ごとに名産のサルーミがあって、有名なところではパルマの生ハムサン・ダニエーレの生ハムボローニャのモルタデッラあたり。他にもサラーメ・ディ・ミラノなどなど・・・いっぱいあって紹介しきれへん! まるで日本のお漬物のような感じやねーっ。

N : 漬物て、また、うまいこと言うたねーっ。あと、最近ではラルドも知られてきたし。

K : あーっ! アッフェッタート・ミスト(サルーミ類の盛り合わせ)が食べたいっ!

N : おーっ! アンティパスト(前菜)には欠かせない基本の一品やねーっ。それにキリリと冷えたヴィーノ・ビアンコ(白ワイン)があればもう言うことなし! ところでお互い研修中はイタリア各地をまわったけど、他にも何かめずらしいもんあった?

ランプレドットK : ヴェネツィアの魚市場近くで食べたモレーケ(脱皮直後の柔らかい蟹)のフライはなかなかやったね。あとは・・・フィレンツェの中央市場で食べたランプレドット(牛の臓物の煮込み)もおいしかったなあ。ビールのつまみに最高! 似たような料理に日本のホルモン焼きがあるけど、これとはちょっと違ってもっとトロトロに煮込んであって、ピリッと辛い唐辛子のソースをかけて食べれば、おでんを食べてる感じかな。

N : また、うまいこと言うねーっ! 地方ごとに「これだけは食べなあかん!」って料理があるから、それを食べ歩いているだけで旅行が終わる感じがするわ。

K : 先生の研修先のエミーリア=ロマーニャ州では変わった食材あった?

店頭に並ぶサルーミN : あった、あった! まずサルーミの種類が多い。さっきも話してたパルマの生ハムやモルタデッラはもちろん、モデナのコテキーノザンポーネなんかも有名。ラルドもよく食べたけど、あれってもろに脂肪のかたまりやん。初めて食べた時なんか、「絶対、腹いわすわぁ」って思ったねー。でも食べ始めるとこれがやめられへん! そう言えばサルーミを食べる時によく一緒に出てくるパンがあって、ピアディーナっていうロマーニャ地方のパンやけど、小麦粉、水、油、塩、ベーキングパウダーを混ぜ合わせて練ってのばして鉄板で焼くだけ。これがまたサルーミにはよく合う! ラヴェンナの近くにミラノ・マリッティマっていうリゾート地があって、車で走ってると派手なテントを張ったピアディーナの屋台がいっぱい並んでる! その屋台にクレッショーネっていう、具を包んだピアディーナみたいなんがあって、これがまたイケルっ!

K : へぇーっ、どんなん、どんなん?

N : 中に包むもんはなんでもええと思うんやけど、僕が好きやったんはじゃがいもやねー。ゆでたじゃがいもに味を付けてピアディーナの生地に包んで鉄板で焼くねん。これもオルネッラさん(Nの手打ちパスタの師匠)に教えてもらったなぁ。そや、今日はパンでも焼いてみよか! せっかくやしじゃがいものクレッショーネ、作ってみよ。先生も何かある?

K : そやねーっ、じゃあイタリアのパンの中でも知名度抜群のフォカッチャ。レストランに行ってもよく出てくるし、具をはさんでパニーニにしてもOK。イタリアじゃ料理人がパンを作るのって当たり前やもんね。これは研修でお世話になったイタリア人直伝で、簡単やしぜひ作ってもらいたいねー。

 というわけで今回ご紹介するのは「じゃがいものクレッショーネ」「フォカッチャ」です。 さて最後にイタリア旅行を計画中の方へひとこと。出発前に訪れる街の名物を調べることをお忘れなく。そして、食べすぎにはくれぐれもご注意を!

Buon appetito !!


モレーケ(モエーケ) モレーケ(モエーケ)
ヴェネツィア方言で脱皮したてのオスの蟹のこと。ヴェネツィアの潟で捕れ、1年に2回、春と秋に脱皮する。殻がやわらかく丸ごと食べることができ、主にフライにする。

ランプレドット
フィレンツェ名物の臓物の煮込みで、フィレンツェ風トリッパとも呼ばれる。意外にあっさりとした味で、唐辛子をきかせたりサルサ・ヴェルデ(香草のソース)を添えて食べるとおいしい。市場の屋台などでも売られていて400円程度で食べられる。パンにはさんだものもランプレドットという。

ランプレドット


イタリアのサルーミ(畜肉加工品)
イタリア語でサルーミとはソーセージ、サラミ、ハムなどの畜肉加工品全般を表す言葉で、サーレ(塩)に由来します。エミーリア=ロマーニャ州産のサルーミを中心にその一部をご紹介しましょう。

パルマの生ハム(プロッシュット・ディ・パルマ) パルマの生ハム
(プロッシュット・ディ・パルマ)

エミーリア=ロマーニャ州パルマ周辺で作られる生ハムで、豚の骨付きもも肉を塩漬けにした後、熟成させる。その工程は最低でも1年に及び、最終段階で品質検査に合格したものにだけ、本物の「パルマの生ハム」であるという印の王冠の焼印が押される。

サン・ダニエーレの生ハム(プロッシュット・ディ・サン・ダニエーレ) サン・ダニエーレの生ハム
(プロッシュット・ディ・サン・ダニエーレ)

パルマと並び有名なのがフリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア州サン・ダニエーレ産の生ハム(写真左)。足先まで残っているのが特徴で、製造工程でプレスをかけるのでパルマ産(写真右)より若干平たい。

クラテッロ クラテッロ
生ハムの一種で、豚もも肉の最上の部分だけを使い、塩漬けにした後、膀胱に詰めて熟成させる。パルマの北西にあるジベッロ産のものが有名。

モルタデッラ モルタデッラ
加熱処理をしたハムで、エミーリア=ロマーニャ州ボローニャ産のものが有名。豚の肩肉や喉肉の赤身を細かく挽いてペースト状にし、粗く切った背脂を加えて作る。ピスタチオナッツ、粒こしょうなどを加えたものも多い。牛の膀胱に詰めた太いものが伝統的。

コテキーノ コテキーノ
エミーリア=ロマーニャ州モデナの特産品。豚の肉、背脂、皮などを、香辛料、塩で調味して豚の腸に詰めたもの。本来は生の腸詰なのでゆでてから食べるが、最近では加熱処理した真空パックのものが多く、温め直すだけで食べられる。

ザンポーネ ザンポーネ
エミーリア=ロマーニャ州モデナの特産品。コテキーノとほぼ同じ材料を骨を抜いた豚の前足に詰めたもの。こちらも最近では加熱処理をした真空パックのものが売られている。大晦日には「ザンポーネとレンズ豆の煮込み」を食べる習慣がある。

サラーメ・ディ・フェリーノ サラーメ・ディ・フェリーノ
エミーリア=ロマーニャ州パルマ近郊のフェリーノ原産で、イタリアのサラミ類の中でもその評価は高い。粗めに挽いた豚の赤身肉と脂肪をこしょう、にんにく、白ワインで調味し、腸詰めにする。

ラルド ラルド
豚の背脂の塩漬けで、にんにく、ローズマリーなどで香りづけすることもある。ヴァッレ・ダオスタ州アルナーやトスカーナ州コロンナータ産が有名。薄くスライスしてパンと一緒に食べたり、香草やにんにくと一緒にみじん切りにして調味料的に使われる場合もある。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ じゃがいものクレッショーネ
レシピ フォカッチャ

気まぐれなピエモンテーゼ
人物 小林 孝至
陽気なロマニョーロ
人物 野上 昌徳
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