辻調グループ

コラム&レシピTOP
西洋料理
日本料理
中国料理
世界の料理
洋菓子
和菓子
パンとドリンク
日欧食べ物だより
こだわりレシピ検索
辻調グループ 最新情報はこちらから
Column&Recipe
コラム&レシピTOP
西洋料理
日本料理
中国料理
世界の料理
洋菓子
和菓子
パンとドリンク
日欧食べ物だより
こだわりレシピ検索
西洋料理TOPへ半歩プロの西洋料理 コラム一覧へ
連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
野菜が主役に
私がフランス料理に関わるようになってから、約15年が経とうとしています。勉強を始めた頃のフランス料理のイメージといえば、皿に主材料の肉または魚が盛りつけられ、その横に野菜がつけ合わせとして添えられ、ソースがたっぷりかかっているというものでした。野菜イコールつけ合わせという考えだったように思えます。知っているつけ合わせは、さやいんげんやきのこのバターソテー、にんじんのグラッセ、じゃがいものピューレやグラタンなど、1種類の野菜を調理した、味や見た目においてシンプルなものでした。その後フランスに行く機会があり、一皿の料理として提供できる野菜料理があることを知りました。中でも印象深かったのが<野菜のア・ラ・グレック(野菜のギリシャ風)>です。数種類の野菜をオリーブ油、白ワイン、レモン汁、香草や香辛料とともに蒸し煮にして、冷たく冷やして食べる料理です。酸味とコリアンダーシードの香りがほどよく効いていてとてもさわやかな味だったのを今でも覚えています。個々の野菜の味がバランスよく組み合わされ、その存在を形の上でもはっきりとアピールしている点が、まさに今回のテーマ「野菜が主役」にふさわしいと思います。

若い野菜のガルグイユ実は、私がフランス料理を勉強し始めた頃、フランス美食界に少なからず衝撃を与えたシェフ、ミシェル・ブラスが登場していました。代表料理は<若い野菜のガルグイユ>。旬の野菜と地元で取れる野草を切り方や火通しで食感・盛りつけに変化をつけ、ソースであっさりとまとめた一品です。その大胆さと繊細で精密な技術は誰にも真似ができないといわれています。

アルページュの玉ねぎのグラタンまた、21世紀初めに、パリの3つ星レストラン「アルページュ」は、オーナーシェフ自ら所有する農園で採れた野菜を主役にメニューを構成するという方向転換をはかりました。他にも契約農家で作られた有機野菜を使用するシェフも多く見られるようになっています。

フレンチ・ランドリーのビーツのシャーベット野菜料理志向はアメリカに行った時も印象に残りました。カリフォルニア・ナパバレーの「フレンチ・ランドリー」で出会った野菜のシャーベットもそのひとつです。トマトの赤、きゅうりの緑、ビーツの濃い赤など、見た目も楽しく、甘味と塩味、酸味のバランスがとれていてすばらしいものでした。

シカゴの「チャーリー・トロッターズ」には野菜料理のコースがあり、多くの野菜をいろいろなバリエーションで食べることができました。野菜料理と聞くとあっさりしたイメージを持たれますが、味の強弱とともに食感にも変化をつけてあり、またコースの最後には、フランス料理では野菜料理として扱われる米を使った料理を出して満腹感をもたらすという配慮が感じられました。

ニューヨークのスーパーの野菜売り場つけ合わせという脇役の座から主役になれる素材の一つとして、健康志向の続くこれからの時代、今まで以上に野菜の存在価値が上がることは間違いないと思います。たかが野菜、されど野菜、まだまだ追求して行きたいです。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 野菜のア・ラ・グレック

petit chef
人物 舟木 景介
このページのTOPへ
 
辻調グループ校 Copyright(C) 2003 TSUJI Group