直子(以下N):
クグロフって、マリー・アントワネットが愛したお菓子としてちょっと有名になったけど、今回はウィーン風のバター生地のものを紹介します。ウィーンではマローネングーゲルフップフとよびます。
亨子(以下K):
マローネン?栗だね。マロングラッセとマロンピューレ、生クリームを使った贅沢な焼き菓子。ついこの前作ったところ。おいしかった!バター生地で別立ての作り方だね。
知恵美(以下C)
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バター生地なんかに生クリームを入れて、リッチに作ることをウィーン風の作り方って言うんですよね!ソフィア・コッポラ監督のマリー・アントワネットの映画、見ましたか?お菓子はラデュレ提供なんですよね。さすがカラフル!!映画のイメージとは違い、今日のこのお菓子は何だか色合いが渋いですねぇ。大好きですけど。
麻紀(以下M): 私も焼きっぱなしのお菓子の色って大好き!しかもクグロフってこの形もかわいいですよね!ウィーンやドイツ、フランス北東部でよくこの形のお菓子やパンを見ますけど、この形には何か由来とかってあるんですか?
N:
ドイツ語の球(グーゲル)と僧侶の帽子(ホフ)が語源であるという説と、フランスのアルザス地方のリボーヴィレの陶工クゲルの名からきているという説があるらしいね。形の由来って何だっけ?
K:
確か王冠の形じゃなかったっけ?火通りも考えてのことで中心部分が煙突のようになってるんだね。リボーヴィレ行ったなー。可愛いクグロフやお皿、器が沢山有って買うのに迷ってしまったわ。はじめは発酵生地でこの型が使われていたみたい。今でこそイースト菌を使っているけど、昔はビール酵母を使っていたとか・・・・。
普通は、バターと打ち粉(強力粉)で型の準備をするけど、今回は粉の変わりにクラム(スポンジのざるで細かくしたもの)を使うのかな?
C:
型に使うケーキクラムはお菓子を作っていてスポンジが残った時に作っておくと便利ですね。型が深いのでバター塗りにくいけど、ここはちょっと手を抜かず丁寧に。
リボーヴィレ、私も行きました。街自体が可愛いですね。6月にはクグロフ祭りがあるんですよね。この型はお店でも本当に大切にされていて、使ったら洗わずにバターが染み込むように拭くんですよ!!ちょっと臭ってましたけど・・・・。
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発酵生地のクグロフ |
M:
陶器の型は飾り用かと思ってたら、実際にその型を使って焼いたりすることもあるんですってね!なんだかかわいい模様が消えちゃいそうでもったいないような気がするのは私だけでしょうか・・・・?
今回はバター生地ですけど、アルザス地方などで多く売られている発酵生地のクグロフも大好きです。ふわふわで甘すぎなくて。あれはブリオッシュ生地でしょうか?
N:
そう、あれはブリオッシュ生地、パンだよね。
でも、今回はバター生地だから、どちらかといえばパウンドケーキの仲間なんだけど、栗がたっぷり入っていて、焼き上がりにラム酒をたっぷり使うので、とてもリッチな感じ。メレンゲがポイントかな?
K:
栗のペーストとマロングラッセが入っているんだよね!メレンゲはバター生地と合わせないといけないのでしっかりながらも伸びのある、ツヤのある感じかな。立て過ぎには注意だね。
焼成後はたっぷりのお酒!!お酒飲めないけど香りもついて、さらにおいしさがプラスされるからやっぱりこのお菓子は好きだな。
そしてラップフィルムをして・・・・すぐに食べたいけど翌日の方が味が落ち着いていいね。
C:
そうですね!お酒のきつい味も抜けるので翌日からのほうがおいしいですね。
メレンゲと合わせるベースの温度が低いと混ざりにくいから、寒い時は固さにも注意が必要ですね。合わせ方が悪かったりすると、どうしてもクグロフの中に生地がつぶれたような筋が出ますよね、このお菓子、大好きなんですけど自分がこれだ!!って満足できたのは1回だけなんだなぁ・・・・どう?
N:
確かに、バターの温度と固さ、メレンゲ、混ぜ合わせ具合・・・・と気を使う点はたくさんあって、ちょっとした組み合わせの違いで違った食感の物ができるけど、こればっかりは何度も作ってみるしかないんじゃないかな?最初は、メレンゲの入らないカトル・カール(普通の配合のパウンドケーキ)やマーブルケーキで練習して・・・・その生地もクグロフ型に入れて焼くとかわいいよ!そして、いいものができるようになったら、ぜひプレゼントに作って欲しいな。喜んでもらえること、間違いなし!!
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