直子(以下N): ガトー・プレジダンのプレジダンって大統領の事だよね。リヨンのベルナションのスペシャリテ*だけど・・・
*スペシャリテ:土地やお店の名物・名産品またはおすすめの一品 |
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治代(以下H): そうなんです。このお菓子は、1975年に時のフランス大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタン氏が、偉大なる料理人ポール・ボキューズ氏にレジオン・ドヌール勲章を授与。そのお祝いに、エリゼ宮で開催されたパーティのために、ベルナションの当時のオーナーでありパティシエでもあったモーリス・ベルナション氏が考案したものです。ふふっ、物知りでしょ!? |
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亨子(以下K): さすが!!そう、わたしがベルナションへ行ったとき一番に買ったのがこのお菓子だったな。 お酒の味がしっかりして、アルコールに弱い私には、んっー!って感じだった。組み合わせはスポンジ生地とガナッシュクリームとドレンチェリーのお酒漬けとメインのチョコレートのフリルよね。 |
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H : このお菓子の一番の特徴になってるチョコレートのフリルって、ベルナションではローラーで作ってたけど、今回はどんな風にしてるの?
N : テンパリングをしたチョコレートを薄くのばして、一枚ずつへらでひだを取ってフリルを作っていくの!
K : これがまた大変なんだよね・・・・なかなかいいものが取れなくて作ってて、い〜ってなりそうなんだけど、でき上がりの達成感はもうたまらない!!でもその次の工程、ドーム状に積み上げるのがまた難しく・・・・その辺はどう? |
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H : そうそう、きれいなドーム型に組み上げてるつもりが、片方に寄ってたり、いつまでたっても終わらなかったり・・・・。 |
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N : そうね。このケーキはチョコレートのテンパリングっていう操作や、同じ厚み、大きさのひだを取る技術がいるから、決して初心者むきではないと思う。本来は、大理石の上でひだを作っていくと良いんだけど 、その辺はなくてもできるように考えてみたのよ・・・。 |
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K : えっ、どんなふうにするの!? |
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N : 平らなテーブルか、オーブンプレートを逆さにして、クッキングペーパーを動かないようにテープなどで貼る。そこに、テンパリングしたチョコレートを薄く広げて、ひだを取っていくの。家に製菓用の板を持っているので、そこでやったこともあるよ!へらの角で、紙を破る事もあるかもしれないけど、結構クッキングペーパーって丈夫だからボロボロになる事もなく、うまくできるはず!! |
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H : ふむふむ。チョコレートの作業って、どうしても周りがチョコだらけになるのでクッキングペーパーの上でなら、汚れた紙をポイッと捨てるだけでいいので片付けも楽チン♪
これって重要だよね。 |
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K : そうね!家で作るときはなるべく簡単に綺麗に作業したいもんね。でも、苦労して作ったのに、食べるのがもったいないくらいなお菓子だよね。 |
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N : 切り分けづらいしね。やっぱり、これはバレンタインデーの本命用に一人だけのために作るのがいいんじゃない? |
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K・H : えっ、本命って・・・!? |
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『ベルナションBernachon』
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住所 |
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リヨン クール・フランクリン=ローズヴェルト 42 |
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cours Franklin-Roosevelt 42, Lyon |
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チョコレート菓子(ボンボン・オ・ショコラ)の店。厳選したカカオ豆を使い、それをチョコレートにするところから自家製造していて、おいしさには定評がある。チョコレートのほかに、エクレアなどの生菓子も販売。またポール・ボキューズのレストラン(ミシュラン3つ星)に、デザート用の菓子、チョコレートを提供している。 |
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