【辻調塾】11月25日/光と陰のカメラマン、料理を語る-ある空間での料理と光と陰(かげ)
今回のスピーカーはカメラマンの久保田康夫さん。
久保田さんは「辻静雄食文化賞」受賞作品のひとつ『茶懐石に学ぶ日日の料理』(後藤加寿子・著/文化出版局・刊)をはじめ、多くの懐石料理の美しい写真を撮影されています。
あべの塾では「光がもつポテンシャル」について語っていただきました。
「今、カメラはフィルムからデジタルへと移り変わり、色の表現も変わってきました。
たとえば、「黒」。黒の色幅は本来10数種類あり、それらをフィルムカメラでは表現することができました」
しかし、デジタルカメラではそういった表現をするのがなかなか難しいそうです。
「こういった環境の変化があったとしても、光と影を感じ、写真で表現することができたときは至福のときかもしれません」
と語る久保田さんはとても楽しそうでした。
また写真で表現する際に大事にしているのは、その時々の時間・シーンを切り取ること。
茶室の場合、にじり口から入ったときの茶室はかなりの暗さだそうですが、会席がすすみ時間が経つにつれ、太陽の光の入り方、光の色が変わっていく。
そういった光を確認し、その光を活かした表現をしていくことでリアル感につながる。
と、久保田さんが撮影された多くの写真を参加者のみなさんとともに見ながらお話をしていただきました。
質問コーナーでは映像と写真の違いは?料理写真へのこだわりは?などなど、多くの質問と久保田さんのアツい回答に会場も盛り上がり、今回のあべの塾も大盛況となりました。