第15回辻静雄食文化賞 受賞作・受賞者決定
公益財団法人辻静雄食文化財団が主催する「辻静雄食文化賞」は、食分野の教育と研究に生涯を捧げた辻調グループの創設者 辻静雄の志を受け継ぎ、2010年に創設されました。この度、「第15回辻静雄食文化賞」の受賞作品・受賞者が決定しましたのでお知らせいたします。
本賞は、我が国の食文化の幅広い領域に注目し、よりよい「食」を目指して目覚しい活躍をし、新しい世界を築き上げた作品、もしくは個人・団体の活動を対象に選考し、これに賞を贈るものです。また特別部門として専門技術者賞を設け、調理や製菓等の現場で活躍する技術者を顕彰しています。
なお、第15回辻静雄食文化賞贈賞式は、2024年8月の開催を予定しております。贈賞式につきましては、改めてご案内申し上げます。
<リリース>第15回辻静雄食文化賞 受賞作・受賞者決定のお知らせ(PDF)
<辻静雄食文化賞とは>https://tsujishizuo.or.jp/award/
◆本賞◆
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『風景をつくるごはん―都市と農村の真に幸せな関係とは』
真田 純子/著、農山漁村文化協会/刊
<贈賞理由>
植物や昆虫の美しさに認められるような自然環境に適応して生きる合理性と、最大多数の人間が生きていくための産業構造の合理性は、どうしても抵触する。つまり、自然に根ざしたかつてのような農村風景と、近代的な都市の論理、合理性は衝突せざるを得ない。そのふたつをいかに折り合わせるかと考える時、自然的なものに比重を置いた上で多数の人間が生きていくことを目指す、ヨーロッパ的な観点の導入がありうることを、著者は提案している。食文化と農村風景を結びつけるという新しい視点から、そこに関わる私たちに、環境の保全を追求した風景と食の美しさの可能性を示唆したことは評価に値する。
<作品について>
景観工学を専門とする著者は、美的分析・評価の観点から農村風景を眺めた時に感じた違和感を出発点に、食べ物を生産する場である農村およびそこに住む人と、消費の場である都市およびそこに住む人の関係を見つめ直す。農村での実践を通してその生業の実態に迫る一方、食をめぐる社会システムの中核をなす農業の課題を明らかにするために、日本とEUの農業政策の比較検討へと考察の範囲を広げていく。農村とその風景を通して、今この社会で食べる私たちに大きな問いを投げかけている。
◆専門技術者賞◆
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手島 純也(てしま じゅんや)
Chez Inno(シェ・イノ)料理長
<贈賞理由>
日本におけるフランス料理の継承者として、フランスで学んだ先行世代が持ち帰った伝統的技術を受け継ぎ、その卓越した技術力で現代に開花させることによって次世代に手渡そうとする強い意思を、高く評価した。店に集う客と調理場とサービスのスタッフの力があいまって、劇場的な非日常空間を生み出すガストロノミーレストランは、フランスの美食文化の精華である。その精神を日本で体現する「シェ・イノ」の一員として、また志を同じくする仲間との活動を通じて、日本のフランス料理に新たな世界を築き上げていくことを期待する。
Cuisine Française Chez Inno (シェ・イノ)
https://www.chezinno.jp/
〒104-0031 東京都中央区京橋2-4-16 明治京橋ビル1F
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第15回辻静雄食文化賞 選考委員会 (敬称略)
<委員長>
鹿島茂(フランス文学者、明治大学名誉教授)
<委員>
石毛直道(国立民族学博物館名誉教授、文化人類学者)
福岡伸一(青山学院大学教授、分子生物学者)
湯山玲子(著述家、プロデューサー)
辻芳樹(辻調グループ代表、辻調理師専門学校校長)
八木尚子(辻静雄料理教育研究所副所長)
第15回辻静雄食文化賞 小委員会 (敬称略)
<委員>
門上武司(「あまから手帖」編集顧問)
君島佐和子(フードジャーナリスト)
柴田泉(『料理王国』編集長)
戸田顕司(日経ナショナル ジオグラフィック 社長補佐)
長沢美津子(朝日新聞東京支社 くらし報道部記者)
浜田岳文(株式会社アクセス・オール・エリア 代表取締役)
林由香(株式会社KADOKAWA 海外事業局 海外事業総括部 編集)
山田健(サントリーホールディングス株式会社 サスティナビリティ経営推進本部シニアアドバイザー)
山内秀文(元辻静雄料理教育研究所研究顧問)
八木尚子(辻静雄料理教育研究所副所長)
<報道に関するお問合せ>
辻調グループPRマーケティンググループ:渡邉
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E-mail:tsujichopress@tsujicho.com