日本茶AWARD2021サテライトティーパーティー(三次審査)の審査員を務めました
2021年10月16日(土)、辻調理師専門学校にて、「日本茶AWARD 2021」のサテライトティーパーティー(三次審査)がおこなわれました。本賞は、日本茶インストラクター協会、日本茶AWARD2021実行委員会、日本茶審査協議会が主催するもので、日本茶の新たな価値を見出し、多くの方に多種多様なお茶の美味しさや香りを伝えることを目的としています。
三次審査の対象となるのは、出品総数503点のうち、プロによる一次・二次審査を経て「プラチナ賞」を受賞した20品。その中からシンプルに「好きな味」を1つ選びます。すなわち、消費者が実際に好んで購入するであろう製品を選定し、その結果、「日本茶大賞」が決定します。これは、まったく新しい評価方法の品評会だそうです。全国各地の会場で行われ、辻調はトップバッターの開催でした。審査を務めたのは、新設の「日本料理クリエイティブ経営学科」、および自由選択制の学習プログラム「別科・日本茶」の受講学生を中心に、一部若手教員を加えて、総数約30名です。
●日本茶AWARD 公式HP
https://nihoncha-award.jp/
今回の審査に携わった背景には、辻調が近年、日本茶に対する学びを深める試みを行ってきたことがあります。日本茶は、特に若い世代の中ではペットボトルで飲むのが日常で、急須が無い家も増えているそうです。また、様々な茶に接する機会が減ったことで、嗜好も固まらず、評価の指標も失われつつあります。日本茶生産を取り巻く環境や指標も変化する中、茶業界が抱える課題は、食とも無関係ではありません。茶の学びの集大成として、今回の体験を位置づけています。
冒頭では、日本茶インストラクター協会専務理事・奥村静二様より、本賞の理念と審査方法について解説がありました。
学生たちは、どの品を飲んでいるのか明かされない状態で、シンプルに好きなものを選べばよいのです。...とはいえ、その時点で2021年度日本最高評価の20品が目の前にあるという事実と、自らが投じる1票の重みもあり、会場には張り詰めたような緊張感が漂っていました。
日本茶インストラクター協会会員3名がホスト役となり、湯温、注ぐ回数、切る回数などを厳守して抽出されました。インストラクターがおこなう正確無比な所作は、学生たちにとって刺激あるものだったようです。ちなみに日本茶インストラクターは、日本茶における資格の最高峰です。
日本茶インストラクターによる茶の抽出の様子(一部)
学生の緊張感が伝わるでしょうか。
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配布された審査表には、好きなものを選ぶ欄だけではなく、任意のコメント欄も設定されています。このコメントは後日、出品者(生産者)に届けられるとのこと。学生たちは、授業を通して、茶生産現場のみなさんの努力を窺い知るだけに、全員が熱心に所見や感想を書き込んでいました。
日本茶AWARD2021の結果は、2021年12月4日に発表されます。どの品が、日本茶大賞に選ばれるでしょうか。審査させていただいた20品は、メッセージ性を感じる素晴らしいものばかりでした。学生たちも、さらに日本茶に対する関心を深めたようです。自分たちの意見が、栄えある賞の決定に反映されるという、貴重な機会をくださった日本茶AWARDの皆様には、心より感謝いたします。
●日本茶AWARD2021 表彰式(TOKYO TEA PARTY 2021)
日本茶大賞・準大賞の発表と表彰式、及びトークショーがライブ配信されます。
日時:12月4日10:00~
場所:日本茶AWARD WEB SITEより無料配信
詳細はホームページからご確認ください → https://nihoncha-award.jp/