遠藤 さくらさん 研修先:Maison LAMELOISE メゾン・ラムロワーズ
私の研修先はBourgogneブルゴーニュ地方にあるホテルレストランのMaison LAMELOISEメゾン・ラムロワーズです。
店内は白と赤を基調とし、木の温かみのある落ち着いた雰囲気です。
始めは、garde-mangerガルドマンジェと呼ばれるamuseアミューズ(突出し)や前菜を担当し、その後poissonポワソン(魚料理)を経て、今はviandeヴィアンド(肉料理)を任されています。
※お店で提供される前菜
ヴィアンドでの仕事は、garnitureガルニチュール(付け合せ)に使う野菜の下処理、火入れ、組み立て、jusジュと呼ばれるソースを取るためのガラのそうじなど、幅広く仕事をしています。
営業が始まればシェフの横、あるいは目の前で一緒にdresserドレッセ(盛りつけ)をし、ガルニチュールのサラダは自分でassaisonnerアセゾネ(味付け)をしてシェフに確認してもらい、そのままお客様に提供されます。
とても緊張感のある現場ですが、同時にたくさんのやりがいを感じながら、楽しんで仕事をしています。
営業が終わればすぐに掃除をして1日が終わっていきます。週末の掃除ではcuisinierキュイジニエ(料理人)14人分全員の包丁を1人で全て洗ってから帰ります。この掃除をしている時に1週間の終わりをしみじみ感じています(笑)。
※ヴィアンド(肉料理)の写真
研修に対するイメージは出発前と比べ、とても変わりました。
始まる前は雑用ばかりで営業に携われるかどうかぐらいだと思っていましたが、実際は初日から営業に入り、ガツガツ仕事をさせてもらえました。1日1日がとても濃く、充実しています。
シェフに対してもM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)で、さらに3つ星のシェフ! と、遠い存在のイメージが強かったのですが、いざ始まってみるととても気さくな方でした。日本の文化や言葉も知っていることが多く、たくさん話しかけてくださり、距離感が近く、一緒に楽しく仕事をさせていただいています。
最近の調理場での流行語は「ヨコヅナ」で、味見を頼むとよくその言葉が飛び交っています。意味は「味見しすぎて太っちゃうよー」って感じで使われています(笑)。
※フランス校にて。シェフのアシスタントとして講習に参加
レストランで料理人として働くのは初めての経験ですが、仕事のスピードや量はもちろん、目が養われたことが一番勉強になったと思います。食材、調理中の状態、ドレッセの皿の状態など、学校で学んだことに加えて、さらに現場でのリアルを自分の目で見て体験できたことは、研修に出たからこそ、学べたと思います。
また、精神面でも大きな変化がありました。
もともと自分は1つの失敗を長く引きずりやすい性格だったのですが、研修に出て知らないことだらけで多くの失敗を経験し、注意された結果、失敗からの切り替えが早くなったと感じています。
失敗を恐れず、失敗しても次に同じ失敗をしないためにどうしたら良いか、自分で自分を高める力が身についたと思います。
※自分がまかないを作った時の写真
休日は研修先から電車で約30分の所にDijon(ディジョン)という大きな町があり、研修先が近いフランス校の友人と出かけて、散策や食べ歩きをしています。
※休日には友人と食べ歩き
先日は5月にオープンしたばかりのCité(シテ)に行ってきました。
「食」をテーマにした博物館のような所で、体験型の展示物が多くあり、楽しくフランスの「食」について学んで遊べるスポットでした。シテの中にはワインを試飲できる所もあり、ブルゴーニュワインだけでなく、様々な地方のものまで試せるので、1日中施設内を楽しむことができるおススメスポットです。
さらにシテの設立には研修先のシェフÉric PRAS(エリック・プラ)氏も携わっているので、展示物の中に研修先の調理場の映像が流れていてビックリ! それだけでなく、シェフが監修したブラッスリーもあり、本当にシェフの偉大さに驚きます!!
※シテの様子
将来、私にはやりたいことがたくさんあります。
その中でも、この研修中は「フランスに戻ってくる」と思う気持ちがとても高まる期間でした!
あと少しで日本に帰国しますが、またフランスに戻ってくるための準備を少しずつしていきます。
遠藤 さくらENDO Sakura
2021年秋コース エスコフィエ校 フランス料理研究課程
出身校 栃木県立黒磯高等学校
辻調グループ出身校 辻調理師専門学校 調理技術マネジメント学科
研修先 Maison LAMELOISE (メゾン・ラムロワーズ)