幸島 なな子さん 研修先:Thierry Mulhaupt
幸島なな子 KOUJIMA Nanako
千葉・幕張総合高校卒業
[エコール 辻 東京] 辻製菓マスターカレッジ フランス校留学コース卒業
2014年春コース レクレール校 製菓研究課程
研修先:Thierry Mulhaupt
私の研修先はアルザス地方。昔はドイツ領だったこともある地方なので、ドイツっぽい文化が根付いているところです。
その中心都市ストラスブールにある「ティエリー・ミュロップ」というお菓子屋さんで研修しています。
このお店はストラスブールに2店舗、コルマールに1店舗あり、ストラスブールから車で10分ぐらいのところにラボが
あります。ラボといっても見た目はちっちゃな工場ぐらいおっきくて、フランス校のラボの何倍もあります。
機械もたくさんあります。
研修生の仕事はこれ!と決まった仕事はなく、研修生である私たちは、毎日何をやるかを聞きます。
簡単なお菓子のフィニッション(仕上げ)、チョコレートの箱詰めから計量、お菓子のモンタージュ(組み上げ)の手伝いや、
材料の下処理など、とてもバラエティに富んでいて、やることはいろいろあります。
最近は、土日だけ週代わりで出すタルトのモンタージュやフィニッションをさせてもらいました。
コンテチーズをつかったタルトのために、硬いコンテを大量に削ったり、中にフランボワーズを入れたり、オレンジの
タルト用にオレンジをカルチエに切ったり仕上げをしたり、けっこう忙しかったですね。
シェフはきびきびしていてはきはきしてるタイプです。
アパートから職場までは毎日シェフや従業員の人が車で送ってくれるんですが、シェフは毎朝の車での私の話も
つたないフランス語も聞きとってくれるし、とても気にかけてくれます。こんなに身近に感じられる人から、あのお店に並ぶ
きれいでおいしいお菓子が生まれてくるんだと思うと、なんだか不思議な感じです。
あと、シェフはチャリティでゴルフの主催もしたりしていてこの間手伝いにいきました!
また従業員の方も最初は慣れなかったけど、慣れてきたらだんだん話してくれるようになりました。
最近はシェフが誕生日だったのでお祝いしたり、ラボのパティシエみんなでご飯に行ったあと、ボーリングに行ったりも
しました。アルザス料理のシュークルート、やっぱりおいしい!
私の住んでいるストラスブールは都会です!土曜日になるとたくさんの観光客でいっぱいで賑わっています。
景色も綺麗で穏やかな街です。たくさんパティスリーやカフェもあるのでついつい出かけてしまいます。
特に、この地方はクリスマスマーケットが有名で、世界中から観光客がやってきます。私もほかの町で働く研修生と
待ち合わせをして、一緒に見に行きました!小さな屋台みたいなブースがたくさん出て、クリスマスの飾りやグッズを
販売していました。イルミネーションもきれいで、さすがフランス!と感動しました。
フランス校で学んで、研修に出て、やはり文化が違うと、働き方も考え方も違うんだということが分かりました。
様々なことで違いを感じるし、ラボでのやり方も違うけどそれもすべて勉強だなと思います。そして、研修は技術より
やっぱり気持ちだなと思いました。私は毎日の送り迎えが正直、話すことがなくて嫌だなて思った時期もありました。
けど、一生懸命毎日いろんなことを質問したり考えたりしているとそれがきちんと相手にも伝わっていて、それがとても
嬉しかったです。片言でも相手は我慢強く話を聞こうとしてくれているわけですし、これも自分の会話力に繋がると
ポジティブに考えるようになりました。
それにフルーツの仕入れに市場まで連れて行ってくれたり、ここでの毎日をプラスにするかどうかは、すべて自分次第
なんだな、と思うようになりました。そう思えるようになってからは、どんな仕事も、なんで?て思うようなこともここは
フランスだからこれがフランスのやり方なんだと、前向きに取り組めるようになりました。
研修修了時にはこの店の人たちに、自分が来てくれてよかったと思ってもらえるように頑張りたいです。
そしてせっかくアルザスの地方菓子を間近で見ることができているので、地方菓子について学んだことを
これからに活かしていけたらいいなと思います。