FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

Restaurant La Mutinerie レストラン ラ ムティナリー

フランス校 食べ歩き日記

2023.07.03

今回紹介するレストランはリヨン市内パールデュー駅の北側、数多くのレストランがひしめくリヨン6区にある、「レストラン・ラ・ムティナリー」をご紹介します。



シェフのNicolas Seibold ニコラ シーボルド氏はニースのLe Negresco ル ネグレスコ、パリのLa Dame de Pic ラ ダム ドゥ ピック、同じくパリのLedoyen ルドワイヤン、リヨンのTêtedoie テットドワを経て現在のレストランを2018年より現在のお店を開業されました。

2019年のフランスのレストランガイドのゴーエミヨにて「期待の若手シェフ賞」を受賞し、2023年のミシュランで1ツ星を獲得するリヨンの新進気鋭のシェフです。
レストラン内はレンガや木目が見えるテーブルなどのインテリアでヴィンテージ感のある内装で纏められています。テーブルセッティングもシンプルなものになっています。


レストランでのランチは58€、ディナーは98€のコース1種類だけで提供されており今回はディナーメニューをご紹介します。


Brioche et beurre noisette aux champignons 自家製のブリオッシュ ノワゼットとセップの香りのバター


アミューズブーシュ① 3種盛りあわせ


Cromesquis d'escargots des Mont du Lyonnais Et volaille, condiment herbacé

リヨン丘陵地帯のエスカルゴと鶏肉をクロケットにし、エストラゴンのマヨネーズとタスマニアマスタードを添えてあります。臭みのないエスカルゴに酸味の効いたマヨネーズがとても合っており爽やかなクロケットです。

Tartelette feuilletée petit pois Œuf de brochet et basilic

薄いパイ生地にグリーンピースを塩ゆがきしたものと、そのピュレ、エシャロットのピクルス、カワカマスという魚の卵、オキサリスの葉が乗っています。


Tarte sablée comme une soupe à l'oignon

この小さなパン粉を使ったタルトの中にリヨンの伝統料理のスープ ア ロニョンが構築されています。中央にはスープ ア ロニョンにベジタブルゼラチンを加えて膜にし、コンテチーズのムースを包んでいます。周りには玉ねぎのフリットとシブレットの花が添えられています。 

アミューズブーシュ② Asperge verte et verveine

グリーンアスパラとヴェルヴェンヌ。ヴェルヴェンヌとアブラナの油を乳化させた泡の中には、グリーンアスパラで作ったソルベと生のアスパラのタルタルが隠されている。ヴェルヴェンヌの泡はレモンの香りが淡く香り、軽く甘みがあり、中のアスパラの苦みとの相性が抜群です。暑くなってきたこの時期にピッタリ。


Quenelle de brochet croustillant, courgette et menthe Sauce poulette

リヨン名物カワカマスのクネルをパリッと焼いたトーストで挟み、ズッキーニのピュレを乗せ、ミント、ズッキーニの花を飾っています。ソースはクラッシックな小麦粉やバターを用いたソースプレーットではなく、酸味の効いた軽いソースになっていました。
ミントの濃縮された香りの酸味の効いたピュレが1点おいてあり、それがいいアクセントになっていました。

Omble chevalier ikejime à l'oseille

オンブルシュバリエ(アルプスイワナ)を低温調理し、オゼイユという酸味の強い葉とそのピュレ、マスの卵を飾っています。ソースはブールブランで魚料理としては定番のソースです。ここまでの料理もそうでしたが、全般的に酸味をかなり効かし攻めた料理を出されている感触です。ただ、この料理もソースに使われているバターの甘味でうまくバランスを取っており、シェフのバランス感が素晴らしいと感じました。


Ris de veau fumé au foin pommes de terre et café

リ ド ヴォー(仔牛の胸腺)をわらの香りをつけて焼き、ソースを絡めています。
ジャガイモの柔らかなピュレと細切りにして揚げたものが敷いてあり、周りにはコーヒーの粉が振りかけられています。
ねっとりとしたリ ド ヴォーの触感と柔らかいジャガイモのピュレの相性がとてもよく合います。

Canard fermier, carotte et graines de Carvi

鴨の胸肉をローストしたあと、皮目を軽く焦がして香りを出しています。人参のなめらかなピュレにはキャラウェイの香りがついています。もも肉で作ったハンバーグのようなカイエットも添えられています。
ソースは鴨の骨から作られたジュで、落ち着いた味でとても美味でした。

Beaufort au vin jaune

ボーフォールという牛乳から作られたサヴォワ地方のチーズを用いたものです。同じくサヴォワで作られるヴァンジョーヌを使っています。

Fraises Cléry et Rhubarbe de la Dome Agastache

1皿目のデザートです。土台にクレームブリュレ、苺とリュバーブのタルタル、苺のガスパチョ、アガスタシュというシソ科のアニスの香りのする葉を使ったソルベとメレンゲが入っています。

Levure grillée, sarrasin et chocolat

イーストを焼いたもの、キャラメルソースや、チョコレートのチュイル、ソバのパウダーなどが使われたデザートです。

Choux au praliné et miso

お茶菓子として最後に出た、プラリネと味噌を使ったクリームを詰めたシュークリームです。
味噌?と思いましたが、意外とナッツの香りと合っていました。

今回いただいたコース料理は、レストランの名前であるMutinerie=反乱という名の通り、料理の中での強い酸味や、主張の強い香草類の香りなどは1歩間違えれば美味しい料理からは外れてしまいそうに思えます。しかし、シェフの巧みなバランス感でその料理は調和がとれていました。

これからが楽しみなレストラン、リヨンに来られた際はぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

Restaurant La Mutinerie

住所 123 rue Bugeaud 69006 Lyon

電話 04 72 74 91 51

thomasbrignard@gmail.com

http://www.la-mutinerie.fr/