Auberge de Clochemerle(オーベルジュ・ドゥ・クロッシュメルル)
今回ご紹介するのは、フランス校シャトードレクレールから車で30分ほどにある1つ星レストラン「オーベルジュ・ド・クロッシュメルル」というホテルレストランです。
こちらのレストランはフランス校の研修先にもなっています。
シェフのロマン・バルト氏はフランスの有名な星付きレストランで働かれたのち、ソムリエの資格を持つ奥様と共にこの地にお店を築きました。
オーベルジュというのは宿泊施設付きのレストランのこと。このボー・アン・ボージョレというぶどう畑に囲まれた可愛らしい村に、この店を目当てに訪れ食事をし、宿泊するというお客様も少なくありません。
メニューは46、66、86ユーロの3コース。
いずれもシェフがその日の食材の仕入れやインスピレーションによって決めるおまかせコースです。
今回選んだのは86ユーロのコース。
まず席に着いたらすぐに出てきたのが数々のアミューズブーシュ。
クレモン・ドゥ・ボジョレというこの地方で作られた発砲性ワインにライムとミントの香りを混ぜた食前酒と共にいただきました。
ほんのりカレー風味のクリームにカリカリとしたかぼちゃの種、ボーフォールチーズのチュイルは程よい塩味も効いていて食前酒と合う一品です。
右からカリフラワーのボンボン
ヴァニラ風味のパンナコッタ
お米のムースの下の鶏胸肉は、ヴェルジュというブドウからできたお酢でマリネされたもの
レモン風味のサバイヨンにハーブのアイス。フレッシュなハーブの香りと程よい酸味でさぱりとした一品です。
ここからコース料理のスタートです。
まず前菜一品目。ホタテ貝を香ばしく焼いたものに、牛乳の泡のソース、その下には根セロリのピュレや角切りとベーコンが。アミューズにも使われたヴェルジュが少し効いていて甘味と酸味が絶妙なバランス。
前菜二品目はフォワグラの料理。しっかりと厚みのあるフォワグラは表面はカリっと、中は柔らか。少し甘味のあるビーツという野菜と、カボチャのピュレが濃厚なフォワグラと良く合っています。
続いて魚料理。白身のマスをしっとりと火を通したものに、ジロールという季節のきのこ、やマッシュルームのソースとチップスなどキノコづくしの一品。秋らしさを感じる一皿でした。
肉料理は鳩。少し癖のある鳩には白ゴマがまぶしてあり香ばしい香りが。付け合わせにはアンディーブという苦みにある野菜を添え、栗とマンダリンオレンジのペーストがアクセントに。ソースには黒ニンニクとカシスを使っていました。
チーズはワゴンかシェフのスペシャルかを選ぶことができ、今回はシェフの一皿を。
レンズ豆を柔らかく煮たものの下にはブルーチーズを使ったクリームが。一番上にグレープフルーツを赤ワインでマリネしたものがあり、「3層一緒に召し上がってください」とのこと。初めての組み合わせでしたが、全て一緒に食べると見事に調和し、シェフの発想力の豊かさに驚かされました。
一品目のデザートはチョコレートとタマリンという酸味のある豆を使ったもの。セシナルという日本産の柑橘類ジュースも使用しているそうで、見た目よりも軽く食べられます。
二品目のデザートはココナッツのムースとビスキュイにパイナップルを合わせたもの。見た目にもとても可愛らしく盛り付けられていました。別添えの皿にはミントのクリームとパイナップル、ヴェルヴェンヌというハーブのアイス。こちらも全て一緒に食べるとさっぱりとしていて食事の最後にふさわしい一皿でした。
最後に食後の飲み物と共に小菓子が。
レモンのパートドフリュイとピスタチオの生地にパッションフルーツのジュレ
小さいポーションでたくさんの料理が出てきた上に、どのお皿もとても細かい仕事がしてありました。また食材も珍しいものや日本産のものも見られ、その日の仕入れによって毎日メニューを変えるというシェフのこだわりが感じられます。
学校からも近く、ブドウ畑に囲まれた可愛らしいボージョレの村に是非足を運んでみてください。
Auberge de Clochemerle
Rue Gabriel Chevallier 69460 VAUX EN BEAUJOLAIS
Tel.04 74 03 20 16
www.aubergedeclochemerle.fr
定休日 火、水曜日